宗像市と民間企業などでつくる「熱中症対策コンソーシアム」が9月17日、宗像市大島の高齢者宅12軒を訪問し、熱中症予防の啓発と生活実態の聞き取り調査を行った。
7月に自由ケ丘地区で行った戸別訪問に続く取り組み。宗像地区消防本部によると、2025年に市内で熱中症が原因とみられる救急搬送は68件発生し、自宅内での発症や高齢者の割合が高い。今回は離島の大島を対象に、医療の専門職として桜十字福岡病院(福岡市中央区)が地域貢献活動として参加した。
当日は桜十字福岡病院のスタッフ4人と市職員2人が2チームに分かれ、10時から12時まで島内の高齢者宅を回った。チラシを配って熱中症予防を呼びかけ、エアコンの使用状況や水分補給、体調について聞き取ったほか、体温や血圧の測定も行った。併せて、2次元コードをスマートフォンで読み取ると体操動画を見られる桜十字病院オリジナルの「さくらん棒」を配り、自宅で体を動かすきっかけづくりも説明した。
訪問した12軒のうち独居が5軒、高齢者のみの世帯が3軒だった。11軒がエアコンを使い、小まめに水分を取っていると答えた一方、この夏に熱中症になった、またはなったかもしれないと感じた人が2人いた。「部屋が冷えたらエアコンを切ったところ、夫が熱中症になった」という家庭もあった。
訪問先では「あの方の所に行ってほしい」と近隣の高齢者を気遣う声があった。大島の診療所には、体調を崩した人を近所の住民が連れていくこともあるという。桜十字福岡病院「桜十字先端イノベーションセンター」の脇坂成重さんは「地域で独居の人や心配な人を把握し、支え合う関係が自然にできている。ただ実際に熱中症になった人もいた。地元企業や民生委員、行政、医療機関が連携して熱中症を予防する仕組みをつくれれば」と話す。
宗像市脱炭素社会推進課の根耒主樹さんは「多くは回れなかったが、一軒ごとに深く話を聞くことができ、生活の実態を把握する上で非常に良かった。医療の専門職が加わり、対応の仕方にもこれまでと違う面があった。大島での熱中症対策が広がっていく可能性を感じた」と話す。