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福津・津屋崎のeスポーツジムが1周年 スポーツマンシップ教育にも注力

宮園社長(左)と岩切副コーチ(右)

宮園社長(左)と岩切副コーチ(右)

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 福津・津屋崎にeスポーツジム「ON TOP(オントップ)」(福津市津屋崎8)がオープンして、6月17日で1周年を迎えた。

ジム内の様子。スキルを最大限に生かせる、eスポーツに適したパソコン環境を用意。

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 経営はライブ配信会社「L-VER(エルヴァ―)」。宮園政幸社長は元「ライバー」で、ライブ配信の世界大会で世界2位、日本1位の実績を持つ。ライバーとしての活動は2020年7月に引退。その後、同社を設立しライバーの発掘や育成などを手がけてきた。ライブ配信とeスポーツをかけ合わせた「ゲームストリーマー」も育成するようになったことがきっかけで、eスポーツジムの運営も始めたという。

 「遊びから学びへ学びから仕事へ」がコンセプトで、eスポーツのほか動画編集、イラストレーターのコースも用意。eスポーツは1回2時間の教室中、全員が最初にブラインドタッチの習得を目的としたタイピング練習を約15分行った後、各自eスポーツの練習を行い、最後に生徒間で練習試合を行う。生徒のレベルに応じてブロンズ級、シルバー級、ゴールド級の3ランクに分け、ランクごとにジム内の大会も開催。ランクトーナメントを行い成績に応じて昇格できる。現在の生徒数は小学1年から高校3年まで100人以上。プロやゲームストリーマー志望、習い事の一つとしてなどさまざまな児童・生徒が通っているという。

 発達障がいや不登校の児童・生徒も在籍するが、同ジムに通い出したことが転機となり再び学校に通えるようになったり、人とも話せるようになったりした子どもも多いという。宮園社長は「趣味の価値観が合い、一緒にeスポーツをすることで低下していたコミュニケーション力が改善されたのでは」と分析。「当ジムで腕を磨いた生徒がeスポーツ講師として開業し、経営の相談を持ちかけてきたこともある」と明かし、「オープン当初は想定していなかったが、うれしい副産物」と笑顔を見せる。

 同ジムではスポーツマンシップにも力を入れ、「プレー中に暴言を吐く」などモラルに反する行為やマナー違反をした生徒には、パソコンの使用を5分間停止する「イエローカード」やジム退場の措置を取る「レッドカード」を提示する。「スポーツマンシップが守れない生徒はeスポーツをする資格がない。『発言には責任を持つこと』『使い方を間違えてはいけない』ことを、入会時にしっかりと説明している」と力を込める。

 今後は県内外にフランチャイズ展開も予定しているという。「eスポーツのジャンルによっては、動体視力や反射神経の観点から10代後半~20代前半が全盛期のものもある。その後の人生を考えた時に、ジムの経営や講師として当ジムの生徒たちが関わってくれるようになるのが経営者としての夢。自分たちが本当にやりたいことを経験し、伸ばしていってもらえたら」と期待を寄せる。

 営業時間は、平日=13時~21時、土曜・日曜・祝日=9時~21時。木曜定休。

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