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福津で「山結びフォーラム」 自然環境の自治に関わるきっかけに

山結び

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 福津を拠点に里山再生や自然環境再生を行っているNPO法人「SOMA」(福津市手光)が8月20日、福津市中央公民館(同)で「山結びフォーラム」を開催する。

幅広い世代の参加者

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 日本全国にある宮地嶽神社の総本宮として知られる福津・宮地嶽神社(宮司元町)は多くの参拝者が訪れる。一方、背後にある宮地山は、人の手が入らなくなったことによる森林の過密化や獣害で山の荒廃が進行していることから、同NPOは「宮地嶽鎮守の杜再生事業」を始めた。

 福津のみならず、管理が行き届かず植生や土壌の状態が悪化している九州内外に活動範囲を広げ「山結び」と事業名を変更。苗作り、植樹、登山道整備などを通して、専門家・実践家と共に里山の自然環境の再生手法を学ぶ活動を月1回、約20人が行う。3歳~70歳の幅広い世代の参加者が「できることを、できる人が、できる時に」行うという。

 同NPO代表理事の瀬戸昌宣さんは「登山道を整備する時は重機や特別な道具は山に入れずに、スコップやのこぎり、身近な道具を使いながら、木や石、落ち葉、枝など山の中にあるものだけで道や階段を作り直す『自然環境の自治』を行っている。小さなことでいい。登山の時に石を拾って山頂に積んでくれているだけでも、その石の役割を戻してあげることができる」と話す。

 今回のフォーラムでは、今年2月に開催した「宮地嶽鎮守の杜フォーラム」から半年間、「山結び」の始まりの場所である宮地山に、参加者と共に手を入れてきたことの活動報告に加え、今後の活動計画や、参加時の参考になりそうな観点などを報告する。併せて、降雨量、面積、木の種類、日本の森林率など、具体的なデータを用いて討論を行い、「山」への理解も深めていく。

 登壇者に、自然再生手法を指導する造園家・轟まことさんを招き、「庭」という最も身近な自然を入り口として自然環境再生を主とする造園家となったいきさつや、九州を中心に全国にわたる取り組みについて対談する。

 瀬戸さんは「自分たちが住んでいる環境の未来を懸念して自然環境の再生の活動をしようと思っていても、『具体的に何から始めていいのか分からない』と感じている方がほとんど。多くの方がフォーラムに集い、自分が育つ環境を整える『自然環境の自治』に関わるきっかけになれば」と参加を呼びかける。

 開催時間は13時~16時。参加無料。専用フォームで事前申し込みを受け付ける。

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