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「宮地山鎮守の杜再生事業」始まる 福津の自然環境を未来につなぐ

宮地嶽神社の後ろにそびえる宮地山

宮地嶽神社の後ろにそびえる宮地山

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 福津の宮地山を豊かな鎮守の杜にするため苗づくりや植樹を行う再生事業を10月、NPO法人「SOMA」(東京都文京区)が始める。

SOMA代表理事の瀬戸昌宣さん

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 宮地山は宮地嶽神社(福津市宮司元町7)の背後に位置する181メートルの低山で、山頂には主祭神・神功皇后が祠(ほこら)を設け、神を祭ったと伝えられる古宮がある。同神社の境内のにぎわいに反して、宮地山は人が立ち入る機会が減り、森林の過密化や獣害によって山の荒廃が進行しているという。同事業は神社を訪れる多くの参拝客が、宮地山の山頂にある古宮まで足を延ばしたくなるような豊かな山にする狙いがある。

 併せて、「その先の福津市の自然を守る目的がある」とSOMA代表理事の瀬戸昌宣さんは話す。「宮地山は立ち入る人が減少したことで、枯れ木や斜面が崩れている箇所が増えてきている。その土が川に流れ、海に行く。結果的に海の環境も悪くしている。山に興味を持ち、山を豊かにすることで海の環境も守られる。未来に生きる人に自然を残すための事業だと考えている」。

 「山に関わる人」を多くすることを重要と考え、同事業では保育園児など、地元の子どもたちが苗づくりを行い、参拝客が自由に植樹できるような仕組みづくりを行うという。「苗づくりに携わった子どもたちが大人になった時や植樹した参拝客が数年後、『自分たちが関わった木や山はどうなっているか』と興味を持ち山に入ってもらうことで、結果的に環境が守られていく仕組みになると考えている」と瀬戸さんは話す。 

 同事業では登山アウトドア向けウェブサービスを行う「YAMAP」(福岡市博多区)によるクラウドファンディングも行っており、植生調査、登山道整備・苗床や苗づくりの資材道具などの費用を募っている。「YAMAPでクラウドファンディングを行うことで、地元の住民だけではなく、全国の登山ファンに宮地山の現状を知ってもらい、ファンになってもらえる。そのことで関わる人を多くすることができる」とクラウドファンディングへの思いを込める。

 東京生まれで、アメリカや高知で過ごし、現在は福津市で暮らす瀬戸さんは「福津の自然に魅了され移住を決めた」という。「豊かな海、なだらかな山、海と山と人間が生活している里への距離の近さ。その全てが魅力的。自分よりも長く生きる人たちに、この素晴らしい環境を残したい。このが事業さまざまな世代が自然環境に興味を持つきっかけになる」と思いを語る。

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