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宗像・大穂「 宗生寺」で17年ぶりに大祭法要 33年に2回だけの御開扉 

宗生寺副住職の信行慈経さん

宗生寺副住職の信行慈経さん

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 宗像・大穂の「宗生寺(そうしょうじ)」(宗像市大穂)境内にある馬頭観音堂で4月16日から、17年ぶりの御開扉が行われ、秘仏「大穂馬頭観音」が公開される。

堂外の欄間の写真

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 宗生寺は曹洞(そうとう)宗の寺で、1483年に許斐(このみ)城主の多賀出雲守隆忠(たがいずものかみたかただ)公が父親を弔うために建てた。大穂馬頭観音は、奈良時代の僧侶「行基(ぎょうき)」により「一刀三礼(いっとうさんらい)」で作られたと伝わる。以前は鐘撞田(かねつきでん)という大穂と野坂の境にあったが、1429年に現在の地に移転。小早川隆景や黒田長政など歴代国主と縁が深く、参勤交代で唐津街道を通る際、道中の安全などを祈る祈願所として代々庇護(ひご)を受けてきたという。

 馬頭観音は六観音の一つで、3つの顔と6本の腕を持ち、馬を頭頂部にのせている。観音様の中で唯一怒りの相を持つため、その怖い顔で人々を災いから守り、「煩悩(ぼんのう)を取り除く厄よけの仏様」として信仰されてきたほか、馬の頭を頂くことから「馬や牛の守り仏」とされる。昔は馬や牛は交通手段であり、畑仕事などの担い手でもあったことから、交通安全、豊作祈願、現在ではペットの健康や安全も願い、「動物供養の仏様」ともされている。

 16日には「御開扉大祭法要」を行う。10時30分 に許斐太鼓保存会、南郷小学校許斐太鼓クラブによる「許斐太鼓」の奉納で始まり、11時~13時は「大祭御祈祷法要」「馬頭観音縁起 奉読」を予定。13時以降は「祈とう」「バナナのたたき売り」「猿回し」も行う。

 併せて、宝物「血書法華経(ほけきょう)」「金の牛」「馬の角」も公開。祈とうも受け付けるほか、御開扉記念の「切り絵御朱印」も枚数限定で頒布する。

 同寺副住職の信行慈経(のぶゆきじきょう)さんは「33年の間に2回しか開くことができない貴重な機会。次は16年後になるので、今回の御開扉ではぜひ多くの方に参拝していただき、観音様とのご縁を結んでほしい」と呼びかける。

 拝観時間は9時~17時。駐車場30台。4月22日まで。

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