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福津のオルタナティブスクール「心和学園」が1周年 学びの選択肢の一つに

令和6年度心和学園入学式の様子

令和6年度心和学園入学式の様子

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 オルタナティブスクール「心和学園」(福津市勝浦)が4月9日、オープン1周年を迎えた。

アートの時間の様子

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 小中学生を対象に「『ありのままの自分』で生き、生きる力を育む」を理念とした同スクール。運営はNPO法人「風のアオライ」。同スクール代表の河津昇さんによると、「オルタナティブ」は「もう一つの選択肢」を意味し、オルタナティブスクールではフリースクールのような居場所の機能も備えつつ、「学び方が自分に合っているから通う」という学びの場を提供するという。学籍は地域の公立学校にあり、卒業時には在籍校から卒業証書を発行する。

 公立学校で4年間、教師を勤めた経歴を持つ河津さんは「公立学校とは別に、子ども一人一人にある特性や個性を発揮できる環境が作りたいと思い退職した。全国のオルタナティブスクールを視察して回る中で、熊本県にある『ゼロスクール』を見学し感銘を受けた」と振り返る。

 子どもたちが自ら時間割を組むという学習プランは「基礎学習」「プロジェクト学習」「選択プログラム」「探求学習」の4種類を用意する。登校すると、「朝のカタリバ」の時間で今日の自分の気持ちや取り組みたいこと、皆に伝えたいことを話して一日を始めるという。

 河津さんは「校舎から300メートルで砂浜に行くことができ、近くには畑もある。畑では自然農法に取り組み、土や自然に触れ、一から自分たちで野菜を作る食育体験を行っている。昼食も子どもたちが自分たちで準備する。当日の調理だけでなく、献立を立て、食材を購入することも子どもたちが行う。砂浜が近いことを生かし、流木を拾い、自分たちが乗れるいかだを作るプロジェクトも進んでいる」と話す。

 「人工知能の技術が進み、社会が大きく変わることが予想されている中で、『やり抜く力』『思考力・判断力』などの重要性は増している」と河津さん。「教育は選べる時代になってきており、公立学校、フリースクール、ホームスクーリングなどさまざまな形がある中で、オルタナティブスクールも選択肢の一つとして知ってもらえたら」と話す。

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