宗像の参加型子ども食堂「家族ダイニング・さんさん」の活動に参加する子どもたちが3月12日、農産物直売所「とれとれプラザかのこの里」(宗像市原町)を訪れ、食材提供への感謝の気持ちを伝えた。
かのこの里で販売している米について説明を受ける子どもたち。「子ども寺子屋カフェ」で毎年行う「地域の商店訪問」も兼ねて訪れた
「家族ダイニング・さんさん」は、北欧の教育ワークショップなどを取り入れた子どもの居場所「子ども寺子屋カフェ」を開いている市民活動団体「『子ども寺子屋カフェ』を運営する会」が行う子ども食堂。月1回、メイトム宗像(久原)で小・中学生と保護者らを対象に、昼食作り体験や交流の場を設けている。
「かのこの里」が食材提供を始めたきっかけは、「フードロス解消のため子育て支援団体に提供できれば」と宗像市農業振興課に相談したことだという。同直売所で売れ残った野菜は原則当日中に出荷者が引き取ることになっていることから、市が同団体に声をかけ縁がつながった。昨年2月から子ども食堂の活動日に合わせ、生産者らが野菜や米などを無償提供している。
食材提供開始から1年を迎えたことを受け、同団体代表の清水満さんと活動に参加する市内の児童7人、保護者、学生・市民ボランティア、事務局スタッフらが同直売所を訪問。店長の次郎丸明弘さんから、直売所で販売している野菜や商品の紹介のほか、地産地消を掲げ市内の小・中学校10校へ給食の食材を提供していることなどについて説明を受けた。
贈呈式には、「かのこの里利用組合」組合長の山田堅さんと、初回から食材提供を続けている「水上ファーム」(野坂)の水上拓哉さんが参加。児童らが「野菜を作っている皆さんが丹精込めて作っているのが分かる。学校や家でも食べたことがない珍しい野菜を提供してもらうこともあり、うれしい。生産者の方と『かのこの里』の皆さんに心から感謝の気持ちです」と感謝状を順に読み上げ、花束、保護者による記念品と共に手渡した。
「この一年、生産者の皆さんの協力の下、フードロスを少しでも解消することができて良かった」と次郎丸さん。「これからも続けていくことができれば。申し出があれば別の団体の要望にも応えていきたい」とも。