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「宗像どらやき」の菓子工房が開業半年 天草の菓子店3代目、宗像に移住

「道の駅むなかた」で販売する「宗像どらやき」

「道の駅むなかた」で販売する「宗像どらやき」

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 「宗像どらやき」を製造する「菓舗(かほ)木村」(宗像市東郷2)の菓子工房が開業して、2月4日で半年がたった。

店主の木村光富使さん

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 熊本・天草で創業100年以上の歴史を持つ同店。3代目で菓子職人の木村光富使(みつとし)さんは東京の菓子専門学校を卒業後、「億万両本舗 和作」(横浜市旭区)での修業を経て実家である同店を継いだ。元々さまざまな和洋菓子を販売していたが、妻のめぐみさんの提案をきっかけに10年以上前、「天草どら焼き」のみの販売に切り替えた。

 光富使さんは「和洋菓子何でも作れるのに、どら焼きに絞って販売することに最初は葛藤があったが、一つの商品に注力するようになったことで、徐々に地元メディアなどで取り上げてもらえるようになり、福岡のお客さんも買いに来てくれるようになった」と振り返る。

 宗像との縁が生まれたのは12年前。知人から「パワースポット」として宗像大社(田島)を紹介されたことから、毎月宗像大社に通うようになった。「勉強していくと、歴史が古いことを知った。天草から通うにつれ、宗像の暮らしやすさや人の良さにも引かれた」と光富使さん。「思い切って天草どら焼きを知らない土地で挑戦したい」(めぐみさん)との思いもあり、2022年4月、長女の高校進学を機に家族で宗像へ移住した。

 現在は、宗像に構えた工房で「天草どら焼き」「宗像どらやき」を作り、「宗像どらやき」は「道の駅むなかた」(深田)で販売する。

 商品ラインアップは、「小豆粒あん」「白粒あん」(以上400円)。重量のあるあんとしっとりとした皮が特徴。光富使さんによると、作れるのは1日200個程度。小豆は2時間半かけて手で選別するなど手間をかけているという。光富使さんは「えぐみや雑味がある小豆は使えない。小豆は季節によって渋みも違うので、炊き方も調整している。あんは水分も寒天で固めているため、しっとり感が長く保てる」と話す。

 「宗像どらやき」の皮とあんには元々使っていたブランド塩に加え、宗像の塩「大島の塩」「沖ノ島塩」もブレンドする。

 「当店のどら焼きは『あんを食べるためのどら焼き』。風味が落ちるので、皮もあんも焦がさないようにしている。香ばしさがないのでコーヒーと一緒に食べるのがお勧め」と光富使さん。「まだ宗像では知名度がないが、一度手に取ってほしい。宗像の新たな土産になれば」と意気込む。

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