「赤間宿つりびな会展示即売会」が現在、宗像の東部観光拠点施設「街道の駅 赤馬館」(宗像市赤間4)で開かれている。
「つりびな」は、高価なひな人形の代わりに、各家庭で小さな人形や飾りを手作りし、それをつるしたものが始まりといわれている。「つりびな」は全国にさまざまな形があり、大きく分けて3種類ある。九州の柳川に代表される「さげもん」は糸まりを中心に49個の細工物を7本でつるすほか、伊豆稲取の「つるし飾り」は天井から床まで長くつるし、福島や山形の「傘福」は傘の先からつるすという。
赤間宿には「つりびな」の伝統はなかったものの、14年前に「赤間宿にかつてのにぎわいを取り戻したい」との思いから「赤間宿つりびな会」を発足。各地の「つりびな」を学び、「さげもん」「つるし飾り」「傘福」をそれぞれ制作。赤間宿ならではのものとして「赤間ごりょんさん」という細工物も考案。次第に、家庭で飾りやすい小型の「つりびな」や、細工物の技術を生かした小物なども制作するようになったという。
「つりびな」が高価なひな人形の代わりとして誕生した経緯があるため、今でも細工物を制作する際には着なくなった着物などをリメークして作ることが多いという。同会代表の秋吉優美子さんは「捨てがたい思い出の品などの一部を使うこともある。『つりびな』のテーマは『再生』でもあるので、思い出の品を別の形に変えて、次の世代に手渡していけたら」と制作への思いを話す。
同展では、これまでに同会が制作した大型の「つりびな」を展示するほか、今年の干支(えと)であるうさぎと桜の花をつるした新作の「つりびな」も展示。置物やアクセサリーなど数多くの和小物も展示し、販売も行う。秋吉さんは「うさぎは赤い目に魔よけの意味があるとされている。ほかの細工物にも一つ一つ意味があり、そこに込めた願いがある。そうした意味や願いを子や孫へ語り次いで、長く大切にしてもらえたら」と話す。
開館時間は10時~17時。月曜定休。2月28日まで(最終日のみ16時まで)。