海の道むなかた館(宗像市深田)前の芝生スペースで10月29日、「むなかた祭り」が開かれる。主催は宗像青年会議所。
宗像の海の現状や取り巻く環境を学びながら海岸を清掃する分科会も実施
世界遺産登録5周年を記念し、「世界遺産の保全」をテーマに開く同イベント。実行委員長の池尾拓さんは「世界遺産は登録がゴールではなく、市民活動としてこれからも守っていかないといけないもの。しかし、登録に向けて盛り上がっていた当時に比べ、年々意識が薄れているのを感じている。あまり関心のない市民も世界遺産に触れ、『皆で守る』という意識を持ってもらえるよう企画した」と話す。
当日は、地元の飲食店や地元の食材を使っている近隣の飲食店・キッチンカーなどが出店し、宗像の食をアピールする。このほか、世界遺産や海などの環境保全に取り組む団体の展示や廃プラスチックを使った「まが玉」作り、VR体験などのブースも用意する。
ステージには、ダンスチームや地元中学の吹奏楽部らが出演するほか、市民ミュージカル「むなかた三女神記」の公演も行う。同ミュージカルは同会議所が「世界遺産登録推進」「青少年の育成」を目的に2009(平成21)年~2018(平成30)年、宗像ユリックス(久原)で開いてきたもの。「立ち寄った方にも、気軽に見てほしい」という思いから時間を短縮して上演。無料で観覧できるようにする。
併せて、3つの分科会を開催。世界遺産保全先進地域の認定NPO法人「富士山クラブ」から講師を招き事例を学ぶ講演会を開くほか、宗像の海の現状や取り巻く環境の話を聞きながら海岸を清掃するイベントを実施。このほか、今月26日~28日、宗像大社(田島)で開かれる「宗像国際環境会議」とも協力し、アオリイカ産卵のための竹漁礁(ぎょしょう)を作り、海中に沈める様子を遊漁船から見学するツアー(小学生限定)などを行う。
「世界遺産に登録された『沖ノ島』は立ち入ることができず、縁遠い海の上の話だと思うかもしれないが、海を守ることが世界遺産を守ることにもつながる」と池尾さん。「ごみを拾うだけでも保全につながることを知ってもらい、イベントを通して世界遺産を身近に感じてもらえたら」と期待を込める。
開催時間は10時~16時。雨天時は海の道むなかた館内で開催。分科会への参加はホームページから事前予約が必要(定員になり次第締め切り)。