宗像大社神宝館(宗像市田島)で10月1日、「造心(つくるこころ)~唐津焼 中里太郎右衛門展~」が始まった。
同展は、唐津藩の御用窯を務めた窯元、中里家に伝わる唐津焼およそ50点を一堂に展示する特別展。一般公開は初めての作品もあるという。
唐津焼は桃山時代から肥前地区一体で作られた陶器の総称で、茶の湯の世界で「一楽・二萩・三唐津」といわれるように、茶陶としての評価が高い。同展では、茶器だけでなく、大皿や徳利、置物など、さまざまな姿の唐津焼を展示。作られた時代も幅広く、「古唐津」(16世紀後半~17世紀半ば頃の作品)から、江戸時代に将軍家などに献上された「献上唐津」、11代~当代・14代中里太郎右衛門さんの作品まで、さまざまな時代の唐津焼を展示する。
開催のきっかけとなったのは、2017(平成29)年10月、14代中里太郎右衛門さんが「国宝 奈良三彩小壺」を2年がかりで復元し、宗像大社へ奉納したこと。「国宝 奈良三彩小壺」は宗像大社が所蔵する国宝で、世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産である「沖ノ島」から出土した1300年前のもの。奉納された実物は公開されていないが、奉納した作品と同時に作った「唐津三彩小壺」を今回、展示している。
14代中里太郎右衛門さんは「当家に伝わる唐津焼の中から、えりすぐりの作品を展示している。ぜひ多くの方に楽しんでいただけたら」と来館を呼びかける。
会期は、第1期=10月1日~12月4日、第2期=12月7日~2月5日。開館会館時間は9時~16時30分(最終入館は16時まで) 。拝観料は、一般=800円、高校生・大学生=500円、小中学生=400円。