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宗像・福津の生産者ら 「佐土原ナス」自家採種による栽培にチームで取り組む

富永さん(後列左から2人目)と今季「佐土原ナス」の栽培に取り組む農家

富永さん(後列左から2人目)と今季「佐土原ナス」の栽培に取り組む農家

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 宗像市・福津市の農家5軒が4月20日、伝統野菜「佐土原ナス」の自家採種による栽培にチームで取り組むための会合を開き、苗作りを担当した農家から各農家へ苗が手渡された。

会合の様子 富永さん・農家・道の駅むなかた担当者が意見を交した

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 会合の発起人は富永寛さん。富永さんは、一度は生産現場から姿を消した佐土原ナスを宮崎県で復活させた経歴をもつ。4年前に福津市へ移り住んだことから、福岡県でも佐土原ナスの栽培を広めたいと考え「道の駅むなかた」に相談を持ちかけた。そこから関心のある農家が少しずつ集まり、今季は5軒の農家が栽培に取り組むことになった。

 佐土原ナスは宮崎県の伝統野菜で、皮が薄く果肉がきめ細やかで甘いのが特徴で、焼きナスで味わうと特に甘味が際立つという。富永さん監修の下、4年前に栽培が始まり、「道の駅むなかた」でも販売されるようになったが、お客から入荷の問い合わせが来るほど好評だという。その半面、日の当たり具合などの栽培条件に敏感で色が変わりやすく、栽培にとても手間がかかる。加えて、在来種のため全ての株で毎年一定の品質を保つことは難しく、来年に残すべき個体を選んで自家採種する必要もある。会合では、どのような色や形を目指すべきなのか、農家ごとの栽培環境の違いが味の違いになるのかなど、さまざまな意見交換が行われた。

 会合に参加した農家の一人は「佐土原ナスを栽培できるのは年1回だけなので、1軒だけではなかなか経験値が上がらない。複数の農家と協力して、成功事例や失敗事例を共有していくことで、安定した栽培につながるのでは、と期待している。今季は参加する農家も増えたので、富永さんの熱意に応えられるよう栽培に取り組んでいきたい」と意気込みを見せる。

富永さんは「佐土原ナスは日本一おいしいナスだと思っている。『おいしいものはみんなの財産』と考えているので、福岡でも佐土原ナスを多くの人に食べてもらい喜んでもらえたら、これ以上の喜びはない」と普及に懸ける熱意を語る。

 佐土原ナスの出荷は7月頃を予定。入荷状況は「道の駅むなかた」のホームページや電話(TEL:0940-62-2715)で確認できる。

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