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宗像「粋工房」で30周年記念イベント ガラス工芸体験や縁日

「粋工房」営業担当者の伊藤伸晃さん

「粋工房」営業担当者の伊藤伸晃さん

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 ガラス工芸品製造会社「粋工房」(宗像市田野)が3月29日~31日、創業30周年記念イベント「粋工房祭」を開催する。

「粋工房」店内

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 1994(平成6)年創業の同社。営業担当者の伊藤伸晃さんは「この30年間で、社会情勢や生活様式の変化に伴い、えと人形やひな飾りなどを買わない家庭も増えた。工芸品はコンパクトサイズの需要が高まり、作るものが変化してきた」と振り返る。

 同社の看板商品「宗像びーどろ」シリーズは現在、朱色の「沖ノ島朱」、緑色の「大島翡翠(ひすい)」、スカイブルーの「金の岬天色(かねのみさきあお)」の3色を販売。「朱」色を出す原料となる塩化ナトリウムは沖ノ島の塩、「翡翠」の硅砂(けいさ)は大島の海岸の砂、「スカイブルー」の炭酸カルシウムはアワビの貝殻を使い、原料を調合・融解してオリジナルカラーを作り出しているという。

 「金の岬天色」はコロナ禍で土産品や工芸品の需要が激減した2022年に完成した色という。ガラス工芸の現場で地域の課題解決に何ができるかを考え、工房から近い鐘崎地区や大島で養殖されていたアワビの稚貝など廃棄処分が課題になっている物を再利用した。

 「粋工房祭」は今年で15回目。期間中、「吹きガラスコップ作り」「とんぼ玉作り」などのガラス工芸体験を通常料金の半額で提供するほか、ヨーヨー風船釣りや綿あめ販売などの「縁日」コーナー、キッチンカー出店を展開する。

 伊藤さんは「宗像市内の小中学校で、日本の風習や文化も交えながら『ガラス工芸職人』の仕事を紹介することもある」と話す。「かつて当社が操業していた三苫工房の周辺に住んでいた当時の子どもとの再会などもある。出前授業や粋工房祭を通じて、いつかその時の子どもが『この仕事をしてみたい』と言って現れることを楽しみにしている」とも。

 開催時間は9時~17時。ガラス工芸体験は予約優先。申し込みは同社ウェブサイトで受け付ける。

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