世界遺産沖ノ島検定「上級検定」の合格証授与式が8月19日、宗像大社(宗像市田島)勅使館で行われた。
「世界遺産沖ノ島検定」は、世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の価値や魅力を知ってもらい、世界遺産の保存や活用の取り組みに賛同・参加してもらおうと、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群保存活用協議会が今年から行っている。
「上級検定」は、オンラインによる「初級検定」の合格者のみが挑戦でき、7月後半に宗像・福津の3会場で初めて行った。
試験問題は「海の道むなかた館」(深田)の西谷正館長が監修。60分間の筆記試験で正式名称や用語を漢字や英語で解答する問題や、難易度の高い記述問題など40問を出題した。今回の合格ラインは正答率7割以上。47人が受験し、11人が合格した。
合格証授与式には9人が出席し、西谷館長が一人ずつ合格証を手渡した。このほか、合格カード、ステッカー、ピンバッジも進呈された。合格者は特典として、沖ノ島神宝(8万点の国宝)などを収蔵展示している「神宝館(しんぽうかん)」の入館料が1年間免除になる。
合格者11人中9人は「宗像歴史観光ボランティアの会」の会員や地域学芸員だった。合格者たちは「理解度を確かめたくて受験した」「箔(はく)を付けたかった」と受験のきっかけを明かす。「こういう機会がなければこんなに勉強する機会もなかったので、今後も理解を深めガイドに生かしたい」とも。
最年少合格した福岡市の高校1年男子生徒は「古墳や遺跡を巡るのが趣味で、合格特典に惹かれた。公式ガイドブックのほか図録や資料、公式ユーチューブなどでも勉強した。難しかったが、沖ノ島について知識が深まった」と喜びの表情を見せる。
西谷館長は「今回は難易度が高かったと思うので、今後の検定の参考にしたい。合格に安住せず、ここを出発点としてもっと知識を深め、学んだことを周りに伝えてほしい」と話す。宗像大社の葦津幹之(あしづもとゆき)権宮司は「熱心に勉強してもらいうれしい。歴史はまだ分かっていないことの方が多く、宗像は歴史解明のポテンシャルが高い地域。もっと研究を深めていく必要があるので、皆さんにも期待したい」と話す。
初級検定は随時オンラインで公開している。上級検定は来年度も行う予定。