新校舎建設が進む宗像市立城山中学校(宗像市陵厳寺1)の工事現場を囲うパネルに現在、美術部の生徒による「仮囲いアート」が施されている。
同校の校舎は建築から40年以上が経過し、老朽化が著しいことから生徒の安全や学習環境の刷新を図るため、新校舎の建設が進められている。建設に当たっては、2019年7月から全5回のワークショップを開き、市民との協働により改築基本計画を策定。同校の生徒や小中学校の教職員、保護者、地域住民など、延べ135人が参加し意見を出し合ったという。
仮囲いアートを同校へ依頼した宗像市教育委員会学校整備プロジェクト室の角脇拓郎さんは「多くの市民の皆さんの意見を元に新校舎建設が進んでいる。無機質な白地の工事用仮囲いだが、学校と地域が新校舎への思いを共有するための貴重なキャンバスと捉え、作品制作を依頼した。作品を通して、新校舎への生徒の思いを市民の皆さんに発信できれば」と話す。
仮囲いアートのタイトルは「新しい学校の幕開け」。縦1メートル、横3メートルほどの作品で、原画をスキャンし、プリントしたものを掲出。画材にはポスターカラーを使い、同校美術部の生徒12人がおよそ1カ月かけて制作。どんなデザインがいいか一人一人絵を描いて提案し、採用するデザインを話し合い、一つの絵にまとめたという。作品の中には、同校のイメージキャラクター「つたやん」が幕を開ける様子、希望を表す虹、未来へ羽ばたく鳩、同校のシンボルであるツタの葉の新校舎、祝福のためのクラッカーのようなデザインの太陽、次世代へのバトンタッチの様子が描かれている。
美術部部長の明瀬(みよせ)ゆいさんは「理想の色味を出すのに苦労し、何度もやり直した。1カ月間、1、2年生が協力して取り組み、自分たちも満足のいく作品になった。いろいろな人に喜んでもらえてうれしい」と話す。
バトンタッチの部分を主に担当した川田愛弓さんは「バトンを渡す生徒は旧制服、受け取る生徒は新制服を着ているデザインにした。旧校舎から新校舎に変わるので、その思いが制服と共にバトンタッチできれば」とデザインに込めた思いを話す。
掲出は9月ごろまでを予定。