全国の女子ランナーが集い、熱戦を繰り広げる「プリンセス駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝競走大会予選会)」。毎年10月、宗像市と福津市を舞台に開催され、11月に宮城県で行われるクイーンズ駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝競走大会)の全国統一予選会として駅伝ファンの注目を集める大会です。
プリンセス駅伝発着地点の宗像ユリックス
スタートする選手(昨年の大会の様子、写真提供=TBS)
スタート地点となる宗像ユリックスは緑豊かな丘の上にある文化・スポーツ複合施設で、大きな芝生広場やプラネタリウム、図書館、プールなど、市民の憩いの場になっています。
大会の舞台は、宗像市から福津市にかけての海と山に囲まれた全6区間、42.195キロ。玄界灘を望む景色や、地元の名所を背に選手たちが駆け抜けます。ここでは、九州実業団陸上競技連盟事務局による区間ごとの見どころを紹介します。
1区(7.0km)宗像ユリックス~宗像大社
アップダウンが少ない、平たんなコース。序盤は落ち着いた展開になることが多いですが、釣川沿いに入る後半5キロ以降で一気にレースが動きます。 第1、第5中継所の宗像大社
2区(3.6km)宗像大社~勝浦浜
最短距離のスピード勝負区間。特に神湊信号からの後半は選手同士が競り合う展開に。中継地点は混雑するため、順位が大きく入れ替わることも多い区間です。
3区(10.7km)勝浦浜~宮地浜
最長区間で「エース区間」と呼ばれます。区間賞争いが繰り広げられるハイライトであり、次のインターナショナル区間を控えているため、ここでの順位が大きく影響します。特に水産高校付近からの後半勝負は必見です。
あんずの里運動公園(写真提供=福津市)
4区(3.8km)宮地浜~福津市複合文化センター
外国人ランナーも走るインターナショナル区間。跨(こ)線橋や長い上り坂が難所となり、勢いよく駆け抜けられるかが勝負を分けます。短い距離でもペース配分が重要です。
4区にある跨線橋
宮地嶽神社(写真提供=宮地嶽神社)
5区(10.4km)福津市複合文化センター~宗像大社
後半のエース区間。向かい風と2度の緩やかなアップダウンがあります。順位変動が激しく、勝負の行方を左右する重要な区間です。
6区(6.695km)宗像大社~宗像ユリックス
アンカー区間。5キロ地点の宗像高校近くの跨線橋が最大の難所。ラストスパートに向けて、釣川から警察署へ入る辺りで差を詰められるかどうかが鍵を握ります。
全国からトップランナーが集結する同駅伝は、全国の駅伝ファンが見守ります。その華やかな舞台の裏側には、多くの市民ボランティアや地元の子どもたちの支えがあります。
大会を陰で支えているのは、約数百人規模のボランティアスタッフ。地域のコミュニティ運営協議会や交通安全協会、スポーツ協会のメンバーや市民ボランティアが、主に沿道の交通規制のサポートを行います。スタート前には、小学生金管バンド「ユリックスジュニアブラス」がファンファーレを披露予定。選手の皆さんの力になるよう当日に向けて練習に励んでいます。 ユリックスジュニアブラスの練習の様子
コース沿いにある東郷小学校の児童も応援する
長年ボランティアに参加している市民の一人は「宗像市・福津市で駅伝が行われることは街の活性化にはいいと思う。コースは自然がいっぱいある、海あり、山ありのコース。これからも大会に協力していきたい」と話します。
プリンセス駅伝は、沿道で応援する市民、円滑な運営を支える宗像市職員、ボランティアとして携わる多くの人々、一人一人の手によって成り立っています。
今年も地域が一体となり、プリンセス駅伝を支えていきます。
宗像市文化スポーツ課の職員
ユーチューブ:【プリンセス駅伝コース紹介】宗像・福津の見どころ徹底ガイド
ユーチューブ:プリンセス駅伝を支える人たち