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宗像地区消防本部で感謝状贈呈式 JR東郷駅で人命救助

(左から)宗像地区消防本部消防長、彌永さん

(左から)宗像地区消防本部消防長、彌永さん

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 宗像地区消防本部で4月22日、感謝状の贈呈式が行われ、彌永政美さんが表彰された。

表彰を受ける彌永さん

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 表彰は、昨年12月にJR東郷駅方面に向かう上り線の電車内で発生した急病人の人命救助に対するもの。電車内で心肺停止状態となって倒れた男性に対し、居合わせた数人の乗客と協力し、胸骨圧迫を行った後、東郷駅付近のコンビニから借用したAEDパットの作動により男性を救命に導いた。その後、救急搬送された男性は1月に退院し、社会復帰できるほどに回復した。

 人命救助について、彌永さんは「東郷駅に電車が到着して階段を上って改札口付近まで行っていた。いつもはスムーズに通る改札口が混んでいて、皆階段の方を向いていたので何かあったのかと思ったら、電車内で男性が倒れているというので、すぐに駆けつけた。私は福岡県警で15年間、緊急法指導をしていた経験があったので、男性の状況を見て気道確保を行い、胸骨圧迫をしていた女性と代わって圧迫を行った」と振り返る。

 「男性が下顎(かがく)呼吸になってきていると感じたのでAEDを駅員に頼んだ。駅内にAEDがなかったので、コンビニに設置しているのを思い出し、セブン-イレブンから持ってくるように指示した。男性にAEDのアナウンスの指示に従って電気ショックの処置を行った」とも。

 宗像地区では2017(平成29)年11月より夜間や休日など「むなかた・ふくつAEDステーション」だけでは対応できない時間帯を補完するため「コンビニAED事業」として、宗像・福津市内で24時間営業しているコンビニエンスストア51店舗にAEDを設置し、救命率向上を目指している。

 彌永さんは「男性が社会復帰できて良かった。私は知識があるから行動できたが、緊急法を全く知らない人が一歩を踏み出すのはなかなか難しいと思う。一方、時間がたつとそれだけ命が危なくなるので、状況を見ながら勇気を持って行動してもらえたら助かる命があると思う」と話す。

 宗像地区消防本部の北野真市消防長は「JRの列車内という見知らぬ人同士の場面で、数人の方が協力して救命活動を行ってくださったことは非常に勇気ある行動。今回、コンビニAED事業で初めての奏功事案となった。近年、AED使用には誤解や不安からためらう声もあるが、服を全て脱がせる必要はなく、必要な部分だけで対応できる。命を守るために一人一人の勇気が大切で、今回の人命救助協力に心より感謝している」と話した。

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