宗像経済新聞は2021年12月の創刊以来、宗像周辺の「まちの記録係」としてさまざまな人と出会い、地域のハッピーなニュースを届けてきました。その中で感じた宗像の魅力の一つは「人」。宗像には出身を問わず「シビックプライド」を持った人が多く「宗像が好き! 宗像に貢献したい!」という市民の熱意が地域を支えています。
本特集では宗像で活躍する人を「むなびと」とし、「むなびと」が活動や事業を始めたきっかけ、活動・仕事に対する思い、これから宗像でかなえたい夢などについて紹介していきます。今回は宗像市の「食生活改善推進会」魚さばき隊の勉強会の様子に密着し、代表の橋本良子さんに話を聞きました。
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宗像で魚の骨まで食べる「魚さばき教室」 魚さばき隊から主婦ら学ぶ
魚屋別館の長井昭徳元料理長から魚のさばき方を学ぶ魚さばき隊
宗像は魚がたくさん取れる一方で魚離れが多いことを知り2006(平成18)年、食進会会員有志で魚さばき隊を結成しました。魚のさばき方は、魚屋別館の長井昭徳料理長(当時)の指導を受けながら学び、現在は1期生~4期生38人が活動しています。博多阪急で魚の解体ショーや料理教室をしたこともあります。
シマフグのさばき方を学ぶ魚さばき隊
ブリとシマフグの粗を使ってみそ汁に
まずは、自分で魚をさばけるようになったことです。普通だったら切り身を買うと思いますが、丸ごと1匹さばけるようになると、あらも使えるようになりました。おいしいだしも出るので使わないともったいないと思います。宗像では「鐘の岬活魚センター」「道の駅むなかた」などで旬の魚を販売していますが、切り身は値段も高くなるので丸ごと1匹買って自分で刺し身にできたら魚を購入する人も増えるのではないかと思います。魚さばき隊では定期的に魚料理の勉強会を行い、学んだ内容を各支部の食進会会員に教え、会員が地域で料理教室を行うなどしながら地域に魚のおいしい食べ方を広めています。
役割分担をして皆で調理
宗像市では中学2年生の家庭科の授業で、魚のさばき方を学びます。指導するのは、私たち魚さばき隊。宗像で取れたアジを使ってさばき方を教えています。授業の際、子どもたちに「今週魚を食べた人」と聞くと、以前は少数でしたが、最近は半分以上の子どもたちが「食べている」と答えるようになりました。「魚は臭い」「丸ごと1匹だと後処理が大変」と嫌がる人も多いですが、生きのいい魚ほど臭みが少ないので、たくさん食べてほしいですね。
男性会員も積極的に参加
宗像市水産振興課 松本裕大さん
橋本会長を始めとする魚さばき隊の皆さんには、普段から非常に世話になっています。例えば、小中学生の魚さばき教室の講師をしていただいたり、宗像の魚を使ったいろいろな料理のレシピ本などを作ったりもしていただいています。宗像市がいろいろな取り組みをする中で、魚さばき隊はなくてはならない存在。これからもパートナーとして宗像の水産物の魅力を一緒に伝えていきたいと思っています。
宗像市健康福祉課 荒牧直子さん
食進会とは、食を通した健康づくりのボランティア活動について宗像市が情報を提供ながら一緒に活動しています。魚さばき隊は「宗像の新鮮でおいしい魚を伝えたい」という思いで作られたグループ。結成して10年以上になりますが、現在も自主的にいろいろなところで活動していて宗像の魚の良さを伝えていただいていると思っています。
ブリの照り焼き丼、ブリ大根、シマフグ・ブリの刺し身などを料理
食進会は結成から20年以上たち、高齢化が進んでいます。ボランティア団体ということや、若い方は仕事をしていることもあり、なかなか食進会に入っていただけないのが現状です。通常勉強会は平日の日中に開催していますが、若い方も参加できるよう、夜や休日の開催も検討していきたいと思います。「宗像の魚ってこんなにおいしいの?」という声を聞くと、もう少し私たちも宗像の魚のおいしさをアピールしていかなければいけないと思っています。
ユーチューブ動画
【むなびと】宗像食生活改善推進会 魚さばき隊代表に密着!#14