宗像・南郷地区出身の画家「中村琢二」の孫で、現代アーティストの中村宏太さんが1月23日、宗像市立南郷小学校(宗像市原町)で特別授業を行った。
福岡県立美術館(福岡市中央区)で現在開催している「中村研一と中村琢二」展に合わせた連携事業の一環。同校は「中村研一」「中村琢二」兄弟の生家近くに位置し、玄関では「中村研一」の作品を展示している。
当日は5年生に向けて、講師の中村宏太さんが祖父「中村琢二」の生い立ちを紹介し、作品を見ながらアートとしての着眼点を児童たちに問いかけながら解説を加えていった。「白と黒と赤を使った身近な物は何か」という問いに対し、児童たちは活発に意見を出して作品の色使いが意図的な物であることを読み解いていった。このほか、「好きな色」を起点にしたブレーンストーミングを紹介し、色の持つイメージを膨らませる手法を実演した。後日、児童たちは「中村琢二」の作品の塗り絵を行い、自分なりの色付けを体験するという。
沓形美奈子校長は「講師の中村さんから『日常の中で、気付いて、感じて、考えて、表現することを大切にしてほしい』という言葉があり、印象的だった。子どもたちの感性に響く授業だったと思う。有名な画家の出身地が身近な地域だと知る機会にもなったので、郷土への愛着を深めるきっかけになれば」と話す。