自家焙煎(ばいせん)コーヒーを製造・販売する「ヤスマメ」(宗像市池田)が9月18日で1周年を迎えた。
福岡市内のアパレルショップで働いていた安永勇生さんと妻の絵理さんが「周りに家がない自然豊かな場所で暮らしたい」と2021年、家族で宗像へ移住したのをきっかけに開業。勇生さんは「移住後もしばらくは福岡市まで通勤していたが、せっかく宗像に来たので『この辺りでできる仕事をしたい』と退職を決めた。コーヒースタンド巡りが趣味だったこともあり、自家焙煎コーヒーの製造・販売をしようと思った」と振り返る。
実店舗は持たず、自宅の庭にあるコンテナハウスでフェアトレード・オーガニックのコーヒー豆を焙煎し、道の駅むなかた、ほたるの里、かのこの里などで販売。商品ラインアップはメキシコ・エチオピア・ガテマラ・コロンビア・タンザニア・ブラジルの6種類。マルシェにも出店し、コーヒーを販売するほか、オリジナルドリップパックを作るワークショップなども開く。
「子どもが生まれたことをきっかけに食に興味を持ち、自分で野菜を育てたいと思うようになった」という絵理さんとともに昨年春、本格的に農業も始めた。ユーフォーズッキーニなどの西洋野菜や、佐土原ナスなど約50種類の野菜を育て、「ヤスベジ」のブランド名で産直市場やマルシェなどに出荷している。
「宗像が地元ではないので、産直市場などでコーヒーの試飲会などをしながら少しずつ知ってもらえるようになってきた。声をかけてもらえるようになり、やりがいを感じている」と勇生さん。絵理さんは「農業を携わるようになったことで、自分たちでコーヒー豆を栽培してみたいと思うようになり今年から挑戦している。元々接客業だったので、顔を見て販売できるマルシェは楽しい。今後は『コーヒーと野菜』を対面販売できる直売所を畑に作りたい」と意気込む。