福岡県里親支援機関「リンク」(岡垣町海老津3)が8月26日、宗像児童相談所(宗像市東郷1)で里親制度説明会「知ろう!学ぼう!さとおやについて」を開いた。
児童養護施設「報恩母の家」施設内に拠点を置き、9月1日で発足3周年を迎えた同機関。さまざまな事情で、家族と離れて暮らす子どもたちが安心・安全に生活できるよう、「養育里親」につなぐ活動を宗像児童相談所と連携しながら行う。
当日は学生や教育・医療・福祉関係者、里親希望者など10人が参加。里親制度についての説明や質疑応答の時間を設け、実際に里親として活動している女性は思いを語った。
同機関広報の上野奈帆さんによると、2016(平成28)年の児童福祉法改正により、実親による養育が困難であれば里親や特別養子縁組などで養育するという「家庭養育優先原則」が規定。子どもの発達ニーズに合わせた養育里親がより必要となった。「養育里親」とは、法的な親子関係は結ばずに、子どもを一定期間自分の家庭で養育する里親のこと。
里親に預けられた子どもたちは、実家庭が養育できる環境に整うまで、特定の大人との愛着関係の下、より家庭に近い環境で生活をする。預かり期間は数日のみの短期的なものから、数カ月に及ぶ長期的なものまであるが、その多くは突発的に始まるという。
養育里親の女性は「実子も里子も同じだけ愛情を注ぐことを心がけている。今でも難しいと感じることはあるが、子どもたちが安心してくれた時の表情や少しでも役に立っていると思えた瞬間が何よりも力になる。いろいろな人たちの支援を受けながら、私自身も成長していきたい」と話す。
上野さんは「どこの家庭でも違和感なく話題にできるよう、まずは里親に対するネガティブなイメージや偏見を少しでもなくしていきたい。里親制度がもっと一般的なこととして認知され、より多くの人に受け入れてもらえたら」と理解を呼びかける。