漫画「リトルリトウ 宗像大島編」が大島渡船ターミナル(宗像市大島)売店で販売されて1カ月がたった。
同漫画は人間と妖怪のコンビが日本にある小さな離島を歩きながら、島の魅力を探していくストーリー。宗像大島編はシリーズ3作目。
作者の和多奈(わだな)さんは横浜在住。島巡りが趣味で、これまで日本の離島を約130カ所訪れているという。島の様子を撮影した写真展などを開いてきたが、「他の表現方法でも島の魅力を紹介できれば」と2022年から同漫画を描き始めた。
宗像大島には2022年6月、2作目の漫画制作中に訪れ、レンタサイクル、観光バス、徒歩で1日半島内を回ったという。和多奈さんは「自然の豊かさや長い歴史を感じた。食べ物もおいしく、漫画の題材としてバランスが良かった。宗像大島なら次回作にできると思い、漫画を描くことを意識して島を歩いた」と振り返る。宗像大島編の巻頭ページには「かわいくて、美しかった」(和多奈さん)という「夢の小夜島」のイラストが描かれている。作中には、宗像大社の中津宮、沖津宮遙拝所、御嶽山、砲台跡、津和瀬など島内の名所や、和多奈さんが実際に食べた「ホットサンド」などが登場する。世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」に関する論文などを参考に歴史や文化も紹介している。
宗像大島編は昨年9月に刊行し、オンラインストアのみで販売していたが、宗像大島滞在中に宿泊した「とかいやゲストハウス」店主の「大島を訪れるたくさんの人が漫画を手に取って読んでほしい」との声をきっかけに、同売店での取り扱いが始まった。
和多奈さんは「島に滞在して感じたことをストレートに漫画に載せている。漫画を読んだ島の方の反応が不安だったが、宗像大島で販売していただけることになりうれしい。たくさんの方に宗像大島の魅力を知ってもらい、島が盛り上がるきっかけになれば」と話す。
76ページ。価格は1,300円。