子どもの権利相談室「ハッピークローバー」が11月26日、メイトム宗像(宗像市久原)で開設10周年記念イベントを行った。
同室は2013(平成25)年、宗像市子ども基本条例に基づく公的第三者機関として宗像市役所内に設置。子どもたちが自ら相談できるよう、「電話相談(子ども用フリーダイヤル)」「来所相談」「手紙相談(小中学校ごとに専用ポスト設置)」「オンライン相談」「学校での相談会」など、さまざまな相談方法を用意する。2023年4月から「手紙相談」の一つとして、切手なしで郵便ポストに投函すれば相談室へ届く専用用紙も配布している。「はぴくろ」の愛称で宗像市内小中学生90%以上の認知度があり(宗像市令和4年度アンケート調査)、1年間で550件ほどの相談が寄せられる。
開設10周年記念イベント「秋まつり~つながれ・広がれ・新しい仲間たち~」は、公募で集めた小学生から高校生までの19人が実行委員となり、企画・運営を行った。6月から月1回集まり、「コロナ禍で傷ついた子どもたちが元気になれるようなイベントをしたい」と準備を重ねてきた。
イベント当日は、冒頭で子ども実行委員による「子どもの権利ポスター」発表を行い、「嫌な言葉ではなく、やさしい言葉を使う人が増えるといいなと思ってこのポスターを描きました」など各自の思いを紹介した。その後、「子どもの権利ポスター」を取り札にした「かるた大会」、子どもの権利に関するクイズ、「はぴくろ」のイメージキャラクターを使ったプラ板工作、参加者が「こんな宗像市になってほしい」などの思いを書き足していく「はぴくろの木」など4ブースに分かれ、子どもの権利について楽しく学べる企画を行った。
子ども実行委員からは「自分たちのイベントができてよかった」「したいことができて楽しかった」「たくさんの子どもたちと知り合いになれてうれしかった」「新しい仲間がたくさん増えてよかった」などの声が聞かれた。
子どもの権利相談員の中川誠也さんは「企画段階から子どもが参画する機会をこれまで設けてこなかったが、今回のイベントを通じて、子どもたちが自分の意見をしっかりと持っていることに改めて気付いた。子どものことは、子どもが一番よく知っているので、今後も子どもたちから思いや意見を聞きながら、『子どもたちのため』『子どもたちと共に』活動する相談室を目指したい」と意気込む。