ふくつ観光協会（福津市中央3）が1月、「みんなの観光ポスターコンクールin九州・山口・沖縄2021」（エスビージャパン主催）で優良賞を受賞した。同コンクールは、コロナ禍による地域観光の落ち込みの中で、地域の観光振興と観光従業者の機運の醸成を目指して行われた。

かがみの海01提供：ふくつ観光協会

　福津には約3キロにわたる遠浅の海岸があり、干潮時に砂浜が鏡のようになり空が映り込む「リフレクション（鏡映）」が起こる。この現象が観光スポットになると考えた同協会は2020年12月、見頃が分かるシステムと写真の撮り方を紹介するウェブサイト「かがみの海」を開設。周知のためのポスター、パンフレット、ポストカードも併せて制作した。

　同協会事務局の中村涼佳さんは「コロナ禍でポスターを貼る機会、見てもらう機会が減った中、このコンクールに応募することで多くの人に見てもらえる機会があるのではと考えたのと、完成まで苦労して作った自信作でもあったので応募した」と話す。

　「かがみの海」の反応も良く、ポスターなどを見た観光客からは「どこで撮れますか？」「どうすれば撮れますか？」という問い合わせが多いことから、「場所の説明を含めて観光案内しやすく、実際に行ってもらいやすい」という。「地元の店にポスターやパンフレットの設置依頼に行った際も、『現象は知っていたが、こんな風に撮れるとは思っていなかった』という反応が多く、地元の人たちも気づいていなかった。今では『かがみの海』を撮るために潮だまりにしゃがんで撮影する人々をよく見かけるようになった」

　コンクールに入賞したことで、西鉄天神駅でのポスター掲示や観光系のウェブメディアでの露出も予定される。

　「福津には航空会社のCMで全国的に有名になった光の道があり、それを目当てに来る方たちも海の方へ足を運んでほしい。どこか1カ所だけ訪れるような点ではなく、面として相互作用的に複数訪れてもらい、皆さんに福津のさまざまな場所を楽しんでもらいたい。『かがみの海』に来たらそれで終わりではなく、近隣でぜひ遊んで帰ってほしい」と呼び掛ける。