宗像経済新聞は2021年12月の創刊以来、宗像周辺の「まちの記録係」としてさまざまな人と出会い、地域のハッピーなニュースを届けてきました。その中で感じた宗像の魅力の一つは「人」。宗像には出身を問わず「シビックプライド」を持った人が多く「宗像が好き! 宗像に貢献したい!」という市民の熱意が地域を支えています。
本特集では宗像で活躍する人を「むなびと」とし、「むなびと」が活動や事業を始めたきっかけ、活動・仕事に対する思い、これから宗像でかなえたい夢などについて紹介していきます。今回は宗像市の離島・大島で現在は塩作りをしている「塩じい」こと河辺健治さんに話を聞きました。
海岸近くの第1工場で木をくべる河辺さん
大島村商店看板
22歳の時に大島に帰ってきて漁師を6、7年して、それから大島村役場職員として約20年働いていました。その後、役場を辞めて村議会議員になり、2005(平成17)年3月に宗像市と市町村合併するまでの2年間、大島村の村長を務めました。その後、大島村商店を起業し、今年でちょうど20年になります。大島村商店で大島の特産物を作りたいと思い、これまでいろいろやってきた中で塩作りが最後まで残りました。一番作りやすいことや、賞味期限の問題などあまり難しいことがないですし、大島には海水と山の木が自然にあるので、いいのではと思って続けています。塩は食べ物の一番基本なので浮き沈みがない。ずっと先まで見通しのできる産物だと思っています。
大島の海水を煮詰めて作る
天日干しした塩
ほとんど一人でやっています。時々手伝いに来てくれる人がいたり、仕事がある時アルバイトを雇うこともあったりします。後は妻が手伝ってくれます。干した塩を選別して袋に詰めたりする作業や、シール貼りなどの作業もあります。
島の家の廃材なども使う
まき作りが大変な作業
燃やす木を切ったり運んだりするのが大変です。家を崩した時の廃材や知り合いの山で切った木、島の人が持ってきた木などを使っています。一番いいのは、海岸に流れてくる流木。短く切る必要もないし、湿っていてもすぐ燃えるのでありがたいです。
河辺さんが作る「大島の塩」。宗像市内外の多くの飲食店が活用している
大島の高齢化でどんどん人口が減っていて、これから先どれぐらい人口が減るのか想像すると怖いですが、私は塩作りを大島に最後まで残したいと思っています。自分一代ではなくて、二代、三代の塩作りがいて、「大島の人は減っているけど塩作りはある」という島にしていきたい。これから塩作りを育てて、大島の産業にしたいというのが夢です。
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