福津・福間海岸の複合施設「SUN EFFECT(サンエフェクト)」(福津市西福間3)内に11月8日、海鮮丼専門店「オ魚(さかな)ソウル」がオープンした。
店主の梶原裕平さんが手がける新業態。これまでカフェとして親しまれてきた空間を、「海辺ならではの食の魅力を伝える店」へとリニューアルした。
リニューアルのきっかけは、「冬場の海辺でも訪れたくなる店を開きたい」という梶原さんの思いから。寒い季節に旬を迎える魚も多いため、多彩な魚種を盛り込んだ海鮮丼を通年で楽しめる食体験を目指した。「福間海岸にはすてきなカフェは多いが、海を眺めながら海鮮丼を食べられる場所は意外と少なかった」と梶原さん。「糸島のように『海辺の海鮮丼』を楽しめる店を福津にも」とリニューアル構想を膨らませたという。
店名の「オ魚ソウル」には、「生産者や地域の人々、スタッフ、訪れる客の魂(ソウル)が一つに集まる海鮮丼」という思いを込める。食材や調味料を選ぶ際には梶原さん自ら現地に足を運んで生産者と話し、それぞれの思いやこだわりにも触れながら吟味した。魚介は福岡中央卸売市場で4代続く仲卸・福栄水産から仕入れており、梶原さん自身が市場に足を運び、担当者からその日の魚の状態やこれから旬を迎える魚の話などを聞いた上で店まで直送しているという。
米は久留米市の中村農園、しょうゆは「タケシゲ醤油(しょうゆ)」(福岡市)、みそは「まるは醤油味噌(みそ)醸造元」(朝倉市)など、長年培ってきたつながりを一つの丼に「結集」。だしと味作り全体の監修は、糟屋郡宇美町のラーメン店「煮干しのビリー」が担当した。海鮮丼に添えるだしじょうゆをはじめ、味の設計を一から練り上げたという。
看板メニューの「海鮮丼(上)」(2,600円)には、6種類の魚介を盛り込み、素材それぞれのうまみが引き立つよう、酢飯の酸味や温度にも細やかな工夫を凝らす。このほか、「鯛(たい)丼」「サーモン炙(あぶ)り丼」(以上1,800円)、甘エビ丼(2,200円)なども用意する。手のひらサイズの「ミニ丼」(各600円)もあり、食べ比べもできる。
以前のサンエフェクトで人気だったプリンやチーズケーキなどのスイーツは、隣接スペースで引き続き販売する。「海鮮丼はもちろん、食後のデザートまで楽しんでほしい」と梶原さんは話す。
観光客はもちろん地域住民にも親しまれる店を目指す同店では、今後、海鮮を使ったイベントなども構想中だという。漁師の家系に生まれ、幼い頃から魚と共に育った梶原さんは「魚で地元を元気にしたい」と意気込む。
営業時間は11時~(日沈まで)。