玄海東小学校(宗像市田野)で12月11日、ブルーカーボン学習会が行われた。
児童に海の環境課題を学びながら地元の海の未来を考えてもらおうと宗像市が企画した。授業の冒頭には、脱炭素を題材とした「ゼロカーボンアクションビンゴ」を行った。児童たちは、数字が読み上げられるたびに「モノを修理して長く使う」「宅配便を一度で受け取る」など、身近なゼロカーボンアクションを紹介し、楽しみながらゼロカーボンへの理解を深めていた。
その後、環境省と「エックス都市研究所」を中心に、宗像漁業協同組合、宗像市と連携して取り組んでいるひじきの増殖試験について、宗像市脱炭素社会推進課の根耒主樹さんが環境や経済の循環の視点を踏まえ紹介。給食では、地元産のひじきを使った献立を提供し、同取り組みに関わる地元漁師や環境省職員たちが児童とともに給食を食べた。
同校では、同市が進める「宗像ウニプロジェクト」に関連した学習を行っている。同プロジェクトは、磯焼けの原因の一つであるウニによる海藻の食害を抑えるため、対象となるウニを捕獲して陸上養殖につなげることを目指す。児童は、学習を進める中で、ウニ殻の活用が十分に行われていないことやプロジェクトの認知度が低いことを知り、「玄海の海を守るため、ウニ殻の活用方法を考え、ウニプロジェクトを地域に広めよう」という学習課題を設定して取り組んできた。
今回の学習会では、児童が取り組んだウニ殻活用の成果を発表。ウニ殻を使ったボトルアート、粘土作り、粉砕した殻を混ぜた魚のエサの実験、パンジーや野菜の肥料としての検証など、班ごとに考えた活用法や実験の結果を紹介した。児童は「この学習を通して海の問題点が分かって、玄海の海のために自分たちもできることがあると思えてよかった」と話した。発表を聞いた環境省の伊藤史雄さんは「課題を自分たちで設定して挑戦していることが素晴らしい。やっていること自体が環境を考えることにつながっている」と評価した。
授業を担当した根耒さんは「取り組みの根拠をちゃんと説明できていて、積極的にウニプロジェクトのことを考えてくれたことが伝わってきた。自由な発想を持ったまま大人になってほしい。いつか漁協と連携し、ひじきとウニを一緒に売る機会などを設けることができたら」と意欲を見せる。