提供:森の庵 制作:宗像経済新聞
「跡継ぎがいない」「お墓の管理が大変」。そんな問題に直面し、墓じまいやお墓の簡素化を考えている人が最近増えているといいます。その一方で、近年人気が高まってきているのが「樹木葬」。ニーズに応えようと家族葬を専門に取り扱う「森の庵」が2021年4月、「専修寺」(宗像市東郷5)に樹木葬霊園を開園したところ、立地の良さも相まって全31区画がわずか2日で完売しました。なぜ今、「樹木葬」を求める声が多いのか?そして、葬儀社が葬儀後の納骨まで手厚くフォローする理由について、「森の庵」の田中勇次社長にお話を伺いました。
「樹木葬」と聞いてどんなお墓を想像するでしょうか?一概に樹木葬といっても、土中に埋葬され最終的には自然に回帰するものや、墓石の代わりに樹木を使用するものなど、さまざまな種類があります。「森の庵」の樹木葬は、区分けされた納骨場所の周りを花や木々で彩るスタイル。納骨された後は一定期間を経て、永代供養墓に合祀(ごうし=他の方のご遺骨とともに埋葬)されます。
お客様は生前に予約される方が多く、契約後にはあらかじめプレートのデザインを選ぶことができます。文字は○○家などの家名や名前を入れるのが一般的ですが、好きな言葉や人柄を表す漢字、愛犬のイラストを施すものなど、個性的なプレートも見受けられます。
「立派なお墓は不要だし、より簡単に済ませたい。一方で、一時的にでもそこに入るからにはプレートで個性を出し、こだわりたいという思いがあるのだと感じます」と田中社長。
「プレートのデザインに『走』の一文字を選んだご夫婦は、走ることが共通の趣味だと伺いました。これまで共に歩んできた人生や思い出を振り返り、ご夫婦にふさわしい文字を選ばれたと思います。プレートに込める文字は人柄や名前の一部分を込める『戒名』に使う文字にも近いですね」
2014年に創業した森の庵は「故人様との最期の家族旅行」をコンセプトとした家族葬専門の葬儀社。田中社長自身が、母親の葬儀で喪主を務めた経験から「故人様やご遺族の気持ちに寄り添う葬儀」にこだわり、温かく見送ることができる空間づくりに取り組んできました。
そんな葬祭業を営む「森の庵」がなぜ「樹木葬」を開園したのでしょうか。
「これまでも、葬儀後にお客さまから依頼があれば、仏壇やお墓だけでなく樹木葬も紹介してきました」
しかし、民間霊園の樹木葬は維持管理費などが必要なことが多く、納骨後にも費用が掛かり続けるというデメリットがあります。
「当社ではお寺さんを呼ばない『直葬』や宗派にこだわらない方の利用も多く、費用も一般葬に比べて抑えることができます。その一方で、一般的な価格のお墓や維持費を払い続ける樹木葬を紹介していたら意味がなくなってしまう。全国的な樹木葬のニーズの高まりも受けて、弊社でリーズナブルな樹木葬を開園しようと決意しました」
森の庵樹木葬の特徴は3つあります。
価格は1人専用区画が24万円。複数人区画は2人で35万円、以後1人追加ごとにプラス7万円で4人まで納骨することができます。(すべて税抜き、その他オプション料金あり)契約後は管理費などを払い続ける必要がなく、価格には「永代供養費」も含まれています。
民間霊園の樹木葬では、霊園管理者が説明して納骨する場合が多いですが、同社の樹木葬はお寺の境内の中にあることから住職がお経をあげて丁寧に納骨します。(宗教によって必要ない人などは省略可能)
複数人で契約した場合、最後の納骨から13年経過後に全員揃って永代供養墓に合祀されます。永代供養墓に納骨された後は、住職が永代にわたり供養します。
このほか、宗旨宗派は不問、今あるお墓からの引越しも可能です。
森の庵はお寺の一角を間借りして樹木葬を開園しました。同社が費用を出して樹木葬を行う土台を作り、宣伝、受付、契約までをスタッフが一手に引き受けます。一方、契約者はお寺の檀家になる必要はありませんが、生前契約が多いことからお寺との関係が深まり、檀家が減り続ける昨今において、「住職のファンが増える」という現象が起きたそう。「今度の法事はここのお寺にお願いしたい」という新しい依頼が入ることもあり、ご契約者、お寺、葬祭業社にとって良い関係を築くことができます。
樹木葬の人気が高まってきている理由について、田中社長は「家族形態の変化」と「経済的な負担軽減」を挙げます。
「昔は兄弟が多く、協力して費用を出し合うことができましたが、『核家族化』や『少子化』により一人当たりの負担が増え、高額な葬儀代やお墓の維持管理代を払い続けることが難しくなってきました。今後もこの状況は変わらない中、その苦労を背負ってきた父親・母親世代が子どもに同じ苦労を託すことに違和感があるのかもしれません」
お墓は最後に入る場所であり、本来ならば代々家族が見守り続ける大切な場所。「樹木葬」は伝統的なお墓のように手を合わせる目印があり、将来的には負担がかからない永代供養もしてもらえるそれぞれの良さを合わせた「新しい供養の形」ともいえます。
今後は樹木葬のニーズが高まることを想定し、ペットと一緒に入れる画期的な樹木葬の開園も検討していく予定だそう。
「森の庵は『家族の絆を繋ぎます』を理念にしているので、時代に左右されない普遍的な考えである『家族の絆』が大切だと思っています」と田中社長。「これからも時代のニーズに合わせつつ、森の庵流のサービスを展開していきたいです」と意気込みを語りました。
まだまだ先のことだと思っていても、いずれ必ずやってくる「その時」。あなたが考える理想な供養の形はどんなものでしょうか?『先祖代々のお墓がない』『跡継ぎがいない』『子どもに迷惑を掛けたくない』という方は、「森の庵の樹木葬」も選択肢の1つかもしれません。
現在、森の庵では宗像大社近くの「興聖寺」(田島)で「樹木葬」の区画販売中です。定期的に現地見学会も開催しているので、足を運んでみてはいかがでしょうか。