
雑貨店・カフェ・菓子店の複合店「piilo(ピーロ)」(福津市西福間2)が 7月1日、イートインスペースを新設してグランドオープンした。
「おやつと食べ物の店 藍昊堂(あおぞらどう)」として、北九州市の旦過市場で2013(平成25)年に創業した同店。店主の矢野芳正さんは「2020年にコロナの影響で営業ができなくなり、商店街に人が来なくなった。2号店として県内外を問わず、店舗を探していた時、この場所を見つけた」と振り返る。準備を進めていた2022年4月、旦過市場で火災が発生し店を焼失。「再建も考えたが、福津で本格的にやっていくことを決めた。夫婦で少しずつ改装を続け、知人の協力も得ながら、ようやく完成した」と話す。店内には「藍昊堂」の焼け残った扉や窓を再利用。「イートインスペースの窓は『藍昊堂』の正面にあった物。ここに来て懐かしんでくれる人がいたらうれしい」とも。5月3日に営業を始め、工事を続けてきた。
「おやつだけでなく雑貨販売やカフェもしたいと思っていたので、それが実現できる店にしたかった」と矢野さん。雑貨はフェアトレード商品やハンドメード雑貨など長く使える物を意識して取りそろえる。菓子は「藍昊堂」時代からの人気商品「チーズまんじゅう」(220円)や「こぶたのプリンカスタード」(450円)などを用意。プリンの掛け紙には、旦過市場時代に向かいで営業していた老舗精肉店の包み紙のデザインを使っているという。「再開発の影響で店を閉じると聞き、そのデザインを引き継ぐことで少しでも歴史をつなげられたら」と思いを込める。カフェメニューでは、自家製シロップを使った「あんずジュース」(550円)や有機水出しコーヒー(500円)を用意。ランチには「スープ&スコーンセット」(900円)を提供する。
店内の窓やテラス席からは川や木々が見え「ぼーっと過ごすのに最高の場所」と矢野さん。「踏み入れないと分からない隠れ家的な店。海に近く川底が砂地のため、満潮時にはカメやエイが上がって来たり、さまざまな種類の鳥も見られたりするのが面白い。今後はランチメニューを増やし、子連れやペット連れの方も気軽に訪れて、のんびりできる場所にしていきたい」と話す。
営業時間は10時~18時。水曜定休。