
宗像市立小中学校体育館空調設備の完成発表会が4月7日、宗像市立日の里中学校(宗像市日の里8)で開催された。
避難所の環境改善と教育環境の充実を目的に、2021年から宗像市立小中学校21校の空調機整備を進めてきた同市。福岡県の小中学校体育館空調機の設置率は約3パーセントで、設置率100パーセントの自治体は宮若市(6校)、東峰村、香春町(以上各1校)に続き4自治体目となる。
宗像市安全安心な学校づくり課によると、宗像市内では近年土砂災害や豪雨による浸水被害などがあり、梅雨末期、台風の時期に小中学校を避難所として開放する機会も多いが、暑さがこもり、環境改善を求める市民の声もあったという。
同市では、対流式エアコンと輻射(ふくしゃ)式パネルを併用した空調システムを採用。同課の竪山頼史さんは「冷涼感や暖かさを感じやすく操作が簡単なエアコンと、館内の温度にムラが少なく、吹き出し口付近でも寒すぎ、暑すぎない輻射式空調それぞれのメリットを生かせる設備。音も静かで風の影響も受けにくいので避難所としてはもちろん、バドミントンや卓球などのスポーツにも対応できる」と話す。台風、暴風雨などによる被害と、地震、津波による被害ではライフラインの復旧期間が異なることから中学校では「ガス式空調」、小学校では「電気式空調」の2種類の空調熱源を配備し、さまざまな災害に対応できるようリスクを分散している。
同会に出席した伊豆美沙子宗像市長は「防災と教育の観点から全小中学校体育館空調設備の設置に踏み切った。すでに体育館空調を導入している城山中学校では昨夏、剣道大会を開催し参加者の『冷房が快適でスムーズに運営できた』という声を聞いている。地域規模の大会にも宗像の体育館を使っていただけたら」と話す。