共進水産(宗像市鐘崎)の「玄界灘 天然ぶり 無添加 焼きほぐし」が1月20日、「福岡県6次化商品コンクール」で福岡県議会議長賞を受賞した。
福岡県は魅力ある6次化商品のPRと販売拡大を図るため、消費者から高く評価されている商品や新規性、話題性に優れた商品を表彰する「福岡県6次化商品コンクール」を2014(平成26)年から開催。同商品は「ブリの加工品として珍しい」という独自性と「素材の味が生かされている」点が評価され、福岡県議会議長賞に選ばれた。
同社の旋網漁では天然ブリが混獲されるが、市場で高値がつきづらい大きさのものも多い。そのような天然ブリに付加価値を付けたいとの思いから、加工部を設け商品開発を始めた。試行錯誤を繰り返し製造を始めて1年、工場長の工藤さんは「漁師たちが必死に漁獲した水産物や玄界灘の海そのものに対しても失礼にならないよう、よりおいしくなるような加工方法で製品を仕上げることができた」と話す。
同社の製品はしょうゆやみそも含め、添加物を含んだ調味料を一切使わず無添加にこだわっている。同商品で肝になるのは「塩」で、魚そのもののうま味を引き出すため、独自のふり塩製法で製造しているのが特徴。「添加物による雑味がないため、お茶漬けやご飯にのせて食べるのはもちろん、さまざまな料理に活用できる」という。
「ブリの大きさによって塩の塩梅も変わるが、どんなに手間がかかっても、効率が悪くても、妥協はしないと決めている。添加物にアレルギーを示す子どもでも、この商品なら食べられると愛用してくれる親もいる。オーガニックや素材にこだわる店から少しずつ関心が寄せられているので、今後はそうしたところに販路を広げ、鐘崎の漁業を下支えしていけたら」と意気込みを見せる。
価格は、小(95グラム)=810 円、大(135グラム)=1,026 円。同社ホームページのオンラインショッと宗像観光おみやげ館(宗像市江口)で扱う。