
遠賀漁業協同組合と福岡県立水産高校(福津市津屋崎)が2月22日、共同で養殖したウニの販売会を岡垣イオン(岡垣町黒山)で行った。
福岡県によると、海藻に吸収・固定される二酸化炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれ、近年、脱炭素社会の実現に向けた大きな役割が期待されているという。福岡県ではこれまで、ブルーカーボンの創出を推進するため、筑前海沿海の漁協や市町、九州大学などで構成する「福岡県ブルーカーボン推進協議会」を立ち上げ、海藻を食害するウニの除去や、除去したウニの養殖に取り組んできた。
遠賀漁協では現在、藻場を荒らす原因となる増えすぎたウニをいったん除去し、福岡県水産海洋技術センター(福岡市西区)指導の下、ウニの身入りをよくする試験養殖に取り組んでいる。ウニの除去や選別作業には同校の生徒も参加し、漁師と高校生、福岡県が協働で藻場の保全とウニの有効活用を進めている。
販売会当日は、遠賀漁協関係者と水産高校生徒が養殖ウニの試食と、「生ウニ 」60パック、「活ウニ」100個を用意。開店前から多くの客が列に並び、「活ウニ」は販売開始25分、「生ウニ」パックは35分で完売した。親子で列に並んでいた客の一人は「たまたま通りかかったら列があったので思わず並んでしまった。家族皆ウニが好きだからうれしい」と笑顔を見せる。販売会には岡垣町出身のメンバーが所属するダンスボーカルユニット「Vieserrut As(ヴィセラット)」も参加し、高校生と共に「養殖ウニ」をPRした。
福岡県農林水産部の秋元恒基さんは「藻場の再生によるブルーカーボン創出は、海の環境保護につながる。水産分野でのワンヘルスアプローチであり、健全な藻場を将来にわたって守り育てていくため、引き続きこの活動を支援していきたい。水産高校の皆さんにはこれからも漁業者との交流を通じて海の環境の大切さを学んでもらい、将来、海に関わる人材になってもらいたい」と期待を寄せる。