櫓(ろ)を使って地元伝統の漁船をこぐ「ろこぎ体験」授業が6月10日、地島(じのしま)小学校(宗像市地島)で行われた。
島民と共に島ならではの行事や触れ合いを体験することで、他者への感謝の心や自立する力を身につけてもらおうと取り組む同小学校の活動の一環。皇室献上品として知られる「地島天然わかめ」の素潜り漁で使う「伝馬船(てんません)」に地元漁師と乗る同体験は、島民の協力を得て1998(平成10)年から行っている。
当日は、漁師3人と児童7人が参加。ライフジャケットを着た児童は、この日のために自分たちで描いた旗を伝馬船に立てて港を出発。漁師から櫓のこぎ方を交代で習った。その後、3隻の伝馬船で競争し、最後は児童たちがひしゃくを使って水を掛け合い体験授業を終了した。
参加した児童たちは「櫓は重くて、前に船を進めるのは難しかったが、こいでいくうちに少し上手になりうれしかった」「船が回らないようにする時は頭を使うので難しかったが、最後は少しこげるようになってよかった」と笑顔を見せていた。
この日の授業を見に来ていた保護者の一人は「子どもの父親や祖父が漁師なので、実際に櫓をこぐのは良い経験になったのでは」と目を細めていた。