「包丁研ぎ講座」が3月30日、宗像ユリックス(宗像市久原)で行われた。
この日講師を務めた遠賀郡在住で研師の峯祥章さんは元々会社員だったが、24年前に思い立って日本刀研師の元へ弟子入りしたという。
研師としてスーパーマーケットや手芸店で依頼を受け付けるうちに評判を呼び、公民館で包丁研ぎ講座を受け持つようになったが、コロナ禍に入り仕事が激減。峯さんによると、店頭での仕事は徐々に復活しているが、再開のめどが立っていない仕事もあるという。
同施設での講座は昨年11月に開講し、今回で3度目。峯さんは「刃物は使い捨てではなく、しっかり管理をすれば長く使える。研師に頼らなくても手入れできる人が増えてほしい」と話す。「現在、昔なじみの金物店もほとんど廃業し、後を継ぐ研師がいない危機的状況」とも。
講座は3部に分けて行い、主婦や職人など44人が参加した。受講者は4グループに分かれ、持参した包丁をそれぞれの砥石(といし)で磨き、熱心に質問する人の姿も多く見られた。
稲元で畳店を経営しているという男性受講者は畳包丁を持参。「研ぎ方は父から学んだが、改めてその道のプロから学べたことで新たな発見があった」と笑顔を見せる。
同施設営業部の原山裕美さんは「募集から1週間たたず満員になる講座。今後も継続的に企画していきたい」と話す。