コミュニティーナースらが地域住民と交流する「おでかけ48」が12月21日、UR日の里団地集会所(宗像市日の里5)で開かれた。
生活利便施設「ひのさと48」の運営会社の一つ、西部ガス(福岡市博多区)が事務局を務め、昨年始動した同プロジェクト。本年度は、毎月第3木曜に「ひのさと48」と「UR都市機構」が共同開催している。
コミュニティーナースは、病院や診療所ではなく住民の生活動線上に存在する医療人材のことで、病気になる前から専門性を生かして住民を見守る社会的役割を持つ。「地域の方の健康づくりのために何かしたい」と考える宗像市内を中心とした看護師、助産師、ピラティス講師、キャリアコンサルタント、美容サロン店主など約20人が名を連ね、3カ月に一度「作戦会議」を開き、これまで「おでかけ48」のほか、子育て世代向けのマルシェなどを企画してきた。
西部ガスの馬場愛里さんは「日の里地区は高齢者率が約35パーセントで、周りの地区に比べても多い。これまでひのさと48内で『認知症セミナー』など健康に関するアプローチをしてきたが、住民の興味を引き出せなかったり、ひのさと48に行きたくてもいけない人がいたりすることが分かった。こちらから出向くことをきっかけに、地域の高齢者とつながれればと始めた」と話す。
当日は、同施設内のカフェ「みどりtoゆかり」の弁当や、カフェで使っている「カラダ生きる みきふぁーむ」(吉留)の野菜販売のほか、健康相談やハンドマッサージなどのブースを設けた。コーヒーの振る舞いもあり、同所を訪れた住民とコミュニティーナースの談笑する姿があった。
利用者からは「前回来た時に食べた弁当の味付けがおいしかったので買いに来た。予定がない時にフラッと来られていい」「初めて会う人とも話ができ、若返ったようで楽しい」などの声があった。
宗像市内でシニア層に向けネイルやハンドマッサージなどを行う訪問美容サロン「ichigoichie(イチゴイチエ)」の平田由香さんは「30年間の看護師経験を生かし、昨年から『介護美容』の道に進んだ。高齢者と接する中で『地域の役に立てることはないか』と考えていた時に声をかけていただき、今回初めて参加した。これからも生まれ育った宗像へ恩返しができるよう地域貢献していきたい」と話す。
馬場さんは「地域のつながりを増やし、身体的健康だけでなく、精神的健康、社会的健康も増やしていきたい。そのためには、医療的な資格にとどまらず、さまざまな分野の人に関わってもらいたい。今後は、地域の高齢者だけでなく、子育てママなど出会った方と日常でつながれる場をひのさと48でつくっていきたい」と意気込む。