「母と子の相談室 ルチル助産院」（宗像市日の里3）が7月29日、西教寺（東郷6）で10周年イベントを行った。

院長の成松志野さん

　院長の成松志野さんが2013（平成25）年4月に開業した同院。産前産後のケアを中心に、女性と子どもを対象にした整体や、国際中医師として中医学の観点を取り入れた、さまざまなケアを提供する。成松さんは高校生の時に見た出産の映像がきっかけで助産師を志し、個人病院や総合病院、大学病院、助産院で助産師として勤務したほか、自治体主催の赤ちゃん訪問指導員としても経験を重ねた。「1人目の妊娠出産で体のトラブルに悩まされた。『同じように辛い思いをしている人をサポートしたい』『困ったときに駆け込める場所を作りたい』と思い、開業を決意した」と10年前を振り返る。

　イベントでは、「心つながる」をテーマに音楽ライブを行った。成松さんは「日々の忙しさの中で、当たり前の日常の尊さや愛する人たちの存在を意識できないことが多い。音楽を通して、改めて大切なものを感じる時間にしてもらえたら」と音楽をイベントの中心にした理由を話す。出産に携わったことをきっかけに知り合ったmya（みや）さんと、その家族・友人が演奏を担当し、「愛」「人とのつながり」をテーマにした曲を披露。子どもたちが鈴を鳴らして演奏に参加したり、全員で一緒に歌ったりする場面も見られた。

　音楽ライブの後は、子ども向けの「くじ引き」や占い、クレイパック作りなど、参加者が自由に楽しめるブースを用意。屋外にはキッチンカーの出店や、西教寺から綿あめの提供もあった。

　成松さんは「来院した方と『心つながる』瞬間を大切に、これからも一人一人と向き合っていきたい。不調をその場限りで改善するのではなく、来院した方が自分の力で一歩でも前へ進めるよう、そのサポートができるように日々努力していきたい」と今後への思いを語る。