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「大島八十八カ所千人参り」 明治時代から続く伝統行事、4年ぶりに復活

磯辺の険しい道を参る参拝者ら

磯辺の険しい道を参る参拝者ら

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 宗像・大島で島内外から集まった人たちが5月27日・28日の2日間かけて、4年ぶりの開催となる「大島八十八カ所千人参り」のため島内を歩いて回った。

「大島コミュニティセンター」建物外観

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 大島は古くから信仰心が高く、明治になると島外への八十八カ所参りが盛んに行われていた。島民の多くは島郷(北九州市若松区)などの近郷を巡礼していたが、その後、大島にも八十八カ所霊場創設の気運が高まり、1902(明治35)年に島内の有志たちが大島四国霊場を創設。島内の集落内、磯辺、山間にそれぞれ設置し、大島八十八カ所参りが始まった。

 近年は島内の高齢化、過疎化により徐々に参拝者も減り、さらにコロナ禍により島外からの移動にも制限がかかり、中止を余儀なくされていた。

 4年ぶりとなった今回、1日目は約40人の参拝者が毘沙門堂前を出発点とし、津和瀬(つわせ)などの島の西側半分を、2日目は約30人の参拝者が元観光休憩所前を出発点とし、島の東側を巡礼した。参拝者の最年少は年長児、最年長は87歳と、幅広い世代が集まった。

 島内の地蔵には民家に立てられているものや個人所有のものも多く、参拝の礼として自治会ごとに島民がお茶や郷土料理を振る舞った。島外から参加した人の中には県外からの参拝者の姿もあり、巡礼中の交流を楽しんでいた。 

 「大島コミュニティセンター」の本田悦子事務局長は「4年ぶりに従来の形で実施することへの不安はあったが、現地には小さな子どもの姿もあり、確かな希望の光が見えた。子どもの頃の貴重な経験は記憶に残るので、これを語り継ぐ存在になってほしい。そのためにはこれからまた島民一丸となって、この伝統行事を守っていきたい」と先を見据える。

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