落花生形のねぶた「ピーナッ2」が4月14日、宗像ユリックス(宗像市久原)のハーモニー前ホワイエに設置された。
福岡教育大学裏の森に設置した「ピーナッ2」と小田さん(写真左)
同施設では昨年11月から、福岡教育大学美術専攻の学生らが制作したハンバーガー形のねぶた「チョモランマバーガー」を展示してきた。笹原浩仁准教授が担当する同授業では10年前から「ねぶた」を制作してきたが、制作後は次年度まで倉庫で保管していることを知った同施設職員の提案で、長期間の展示が初めて実現。展示期間中は迫力ある「チョモランマバーガー」を前に写真を撮る一般客の姿が多く見られたほか、施設内のカフェ「ツリーズ」ではねぶたとコラボした高さ17センチの「チョモランマバーガー」を販売した。
ねぶた制作に使う木材やLEDライトなどは毎年使い回しており、本年度の講座でも使うため「チョモランマバーガー」は撤去することに。入れ替わりで落花生形のねぶた「ピーナッ2」が搬入された。
「ピーナッ2」は3月に同大を卒業し、現在は新上五島町魚目中学校(長崎県南松浦郡)で教壇に立つ小田ゆうかさんが卒業研究の一環で制作した作品の一つ。このほか、小田さんの地元、上五島の名物やジンベイザメなど海の生き物をかたどったねぶたも制作し、それらは有川港ターミナル(同)や大学に展示しているという。「ピーナッ2」は持ち帰ることができず解体予定だったが、再び同施設から声が掛かり、設置が決まった。
「落花生をモチーフに選んだのは、ねぶたの特徴である形と光の温かさを生かした作品を作りたいと思い、形が魅力的で生命を感じさせる『種』について研究したのがきっかけ」と小田さん。「落花生独特のフォルムや網目模様を針金で再現するのが大変だった。その美しいフォルムに注目してもらえれば」と話す。
笹原准教授は「チョモランマバーガーはたくさんの方に見ていただき、特に『子どもたちが喜んでいた』と聞いている。展示を通して、改めてねぶたは幅広い世代に親しみを持ってもらえるものだと確かめることができた。『ピーナッ2』もぜひ、見に来てほしい」と呼びかける。