宮若トレッジ(宮若市宮永)で11月26日、「装飾古墳フェス」が開催される。主催は宮若市教育委員会。
宮若市にある国指定史跡の装飾古墳「竹原古墳」を始め、「装飾古墳」をテーマに、同市、宗像市や桂川町など、近隣エリアの文化財をアピールするために開く。
当日は古代をモチーフにしたクラフトグッズが並ぶ「古代マーケット」や、キッチンカーが並び文化財や発掘秘話などが気軽に聞ける「古代トーク」、装飾古墳や文化財をテーマとした「考古ワークショップ」を行う。普段は入れない同施設の裏側に入り文化財の解説が聞ける「バックヤードツアー」や、装飾古墳をテーマにした「いろいろ考古ワークショップ」なども予定。会場では竹原古墳の無料入場チケットも配布する。
同イベントを企画するのは、九州の古代をテーマにしたウェブマガジン「古代Press」編集長の中村麻衣子さん。「堅苦しいと思われがちな文化財の敷居を低くするため、『大人の文化祭』という感じで気軽に遊びに来ることができる雰囲気のイベントにしたい」と思いを語る。
古代トーク(事前予約制)では全国各地の装飾古墳に関わってきた石山勲さんによる竹原古墳を深堀りしながら、文化財の知識がない人も楽しめる内容にするという。バックヤードツアーも文化財の解説だけではなく、福岡県を拠点に活動している女性のチンドン屋「ちんどん鈴乃家」とツアーを回る企画にするなど、「文化財の情報を目当てに来た以外の人でも、にぎやかで楽しかったと思われる内容にしている」と言う。
「いろいろ考古ワークショップ」では装飾古墳の文様をちりばめたトートバッグを作る「装飾壁画トートバッグ作り」や、土器や埴輪(はにわ)の実測図を描く「土器ふれあいスケッチ体験」(事前配布の整理券が必要)、赤色顔料の一種であるベンガラを桂川町に流れる川の赤水から取り出す「古代の絵の具を作ろう!ベンガラ作り体験」(同)など、文化財にまつわる体験を開催予定。「ワークショップは、装飾古墳を知らない人にはとにかく気軽に楽しんでもらえて、文化財に興味のある人にはさらに知識が深掘りされるような貴重な体験ができる」と中村さん。
竹原古墳は約1500年前に描かれた装飾壁画をそのままの状態で、目視で見学できる稀有な装飾古墳だが、「貴重さと保存状態の素晴らしさが近隣の市内外の人たちにはあまり知られていないと感じる」と中村さん。「気軽に観覧できる古墳だからこそ、逆に貴重さが伝わっていない可能性もある。このイベントでは改めて竹原古墳や、出土遺物を見ることができる宮若トレッジの素晴らしさを発信し、歴史や文化財に興味がない人にも、全国に誇れる文化財ということを知ってもらうきっかけ作りになれば」と期待を込める。
開催時間は10時~16時。入場無料。