JR赤間駅北口自由通路にある駅ピアノに9月10日、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群世界文化遺産登録記念テーマ曲の楽譜が設置された。
楽譜はノートタイプと見開きタイプの2つを用意。合唱部分を省き簡略化した
同駅ピアノは「音楽があふれるまち・宗像」を掲げたイベント「宗像ミアーレ音楽祭」のPRを兼ねて2019年9月に期間限定の予定で設置されたが、好評だったことから現在も常設している。1924(大正13)年、ドイツのピアノ製造会社「グロトリアン・シュタインヴェーク」が製造したアップライトピアノで、たくみ工房(宮若市下有木)が復元した。
同テーマ曲は「むなかた第九合唱団」が2017(平成29)年の世界遺産登録を見越して制作に取り組んだ。同団に所属するピアニストで作曲家の川崎美香さんが作曲。宗像大島へ渡り、沖ノ島を眺め感じたことを表現したという。オーケストラと合唱の曲として制作したが昨年、「世界遺産をより若い世代にも意識してもらえれば」と吹奏楽用に編曲。今年1月には東海大学付属福岡高校(田久1)吹奏楽部と同合唱団らによる公開録音を行い、制作したCDやDVD、楽譜は宗像・福津の中学、高校、一般の吹奏楽団や公共施設などに配布した。
ピアノ曲は団員の坂井則子さんが「幼稚園児や小学生にも親しんでほしい」とハ長調に編曲。楽譜には指番号も記載し、右手のみでメロディーを奏でることができるため、ピアニカで演奏に取り組んでいる保育園もあるという。
「沖ノ島の波のイメージや三女神の会話を表現している部分もあるが、感じ方は人それぞれ。楽譜を見て弾くだけではイメージが湧きづらいと思うので、ぜひ曲を聴いてから挑戦してほしい。今後はリコーダー曲などの編曲も考えており、幅広い世代に世界遺産やテーマ曲を知ってもらえれば」と抱負を話す。
JR赤間駅ピアノの開放時間は10時~20時。10月2日には海の道むなかた館(深田)で「むなかた第九合唱団コンサート」を開催。同団の合唱指導を務める太田智子さんがテーマ曲をソロで歌うほか、合唱も披露する。12時30分開演。入場無料。