宗像のマンホールのふたをデザインしたTシャツが7月から、赤間宿通りの民芸品店「ご縁工房 音誘君舎(ねゆきや)」(宗像市赤間5、TEL 0940-32-7050)で販売されている。
製作したのは市内在住の山下義二さん。定年退職後、趣味で木工教室に通い、現在は子ども向けの木工おもちゃや将棋駒のキーホルダーなどを製作し、同店で委託販売している。マンホールのふたに注目したのは6年前。地域の文化祭に出展するため、市のマンホールのデザインを木工で再現したことがきっかけだったという。「宗像のマンホール柄の一つである『カノコユリ』は市の花。自宅でも育てているが、絶滅危惧種に登録されていることを知らない人も多いと思う。テレビでマンホールのふたをデザインしたTシャツを着ている人を見かけたことから、宗像の新しい観光商品になるのではと考えた」と山下さん。今年1月に製作を決意し、宗像市に企画書を提出したところ使用許可が下り、「音誘君舎」店主の田中雄二さんとも協力しながら準備を進めてきた。宗像市都市整備部の寺嶋弥(わたる)さんによると、宗像市のマンホールデザインの使用依頼は今までなく、山下さんが初めてだったという。
Tシャツの柄は、玄海町音頭の歌詞が由来のタイと波、市の木「クロマツ」を施した「タイナミ」と「カノコユリ」の2種類を用意。それぞれ、カラー(L=3,300円)とモノクロ(M・L=3,000円)の4種類を展開している。缶バッジ(250円)も販売する。
近隣市町村のマンホールデザインにも興味を持ち、現地に足を運び写真に収めるなど見識を深めてきた山下さん。「マンホールは『路上の美術館』といわれるほど、地域独自のデザインが施してあるのが魅力。今後はふるさと納税の返礼品の登録や別の商品も検討している。宗像市の『カノコユリ』やマンホールのデザインを多くの人に知ってもらうきっかけとなれれば」と意気込みを見せる。