フクオカクラフト(岡垣町内浦)が現在、クラフトビール醸造所「FUKUOKA CRAFT BREWING」開設に向けクラウドファンディングで支援を呼びかけている。
同施設は岡垣の良質な地下水を使い、年間40種類のクラフトビールを製造する。醸造所以外にもタップルームやバーベキュー場を併設し、観光客を呼びこむ施設を目指す。
醸造所造りを目指したきっかけは同社の田島伸浩さんが、全国でクラフトビールのマーケティングや地域活性事業の活動を行うなか、福岡はクラフトビールの文化がまだ根付いていないと感じたことだった。「福岡でクラフトビール文化を創造し、地域活性に貢献したいと思った」と田島さん。その後、同じ思いを持つEFM(福岡市中央区)の杉山芳文さんと、COMATSU(福岡市中央区)の松村宗孝さんと共に「フクオカクラフト」を設立。醸造所造りが本格始動した。
岡垣を拠点に選んだ理由は、クラフトビール造りに必要な水が良質だったことと立地にあった。「岡垣は福岡市と北九州市の中間にあり、双方の空港からも1時間程度という便の良さ。観光資源があり、近くにはワイナリーがある。酒蔵ができる予定もあり、お酒で街を活性化できる地域だと思った」と振り返る。
クラウドファンディングで呼びかけているのは、ビールを缶に充?(じゅうてん)する「カンニング」という機械の購入資金。「缶は瓶に比べてリサイクルの手間がかかりにくいし、軽い分、輸送の際のエネルギーも軽減できる。機密性と遮光性が高いため商品のクオリティーが維持できる。環境のこと、そしてビールのクオリティーを考え、缶で商品展開したい」とこだわりを見せる。
商品は地元だけにとどまらず、全国展開や海外輸出も計画しているという。「クラフトビールを使って街を活性化するのが一番の目的。福岡、岡垣の名前を全国や海外に展開させていきたい」と意気込みを見せ、「岡垣の地元企業とのコラボなどを行い、新しい名物やコミュニケーションを作っていきたい」と話す。
クラウドファンディングは7月5日まで。工場の稼働は8月を予定している。