宗像市は5月27日、持続可能な漁業を目指すため、漁協や産業設備などを手がける高田工業所(北九州市八幡西区)、九州大学(福岡市西区)と「宗像市SDGs豊かな海づくりに関する連携協定」を締結し、ウニのブランド化を図る「宗像ウニプロジェクト」が始動した。
宗像では温暖化に伴う海水温上昇により海藻が激変する「磯焼け」が問題になっている。磯焼け海域ではウニが過剰に増加し、海藻の食害が発生。藻場の再生を妨げ、魚介類の減少にもつながっているという。
同プロジェクトは増加したウニを駆除し、そのまま陸上養殖してブランドウニとして販売。その利益をウニの駆除費用に充てることで持続可能な漁業を目指す。ウニの陸上養殖については既に実証実験が始まり、県内の食品関連会社がウニの餌となる廃棄野菜などを提供している。
伊豆美沙子市長は「ウニプロジェクトは持続可能な活動とするため、民間企業のノウハウと行動力、大学の見識、宗像漁協の協力の下に始動する。これに止まることなく、今後もさらなる連携を測りながら持続的に海を守る連携事業を展開したい」と思いを語り、高田工業所の高田寿一郎社長は「ウニの養殖に関してのノウハウはないが、プロジェクトに参加することで、これまでの事業では関わることがなかった業種とつながり、新たなる分野への事業展開の可能性を期待している。新たなるノウハウと実績を積み重ね、取り組みを充実させていきたい」と意欲を見せる。