疾走する馬上から矢を放ち得点を競う「全国スポーツ流鏑馬(やぶさめ)第5回九州大会」が4月10日、鎮國寺(宗像市吉田)で開かれた。
主催するカナディアンキャンプ乗馬クラブ(神湊)は毎年10月2日に行われる宗像大社(田島)の秋季大祭で流鏑馬神事に参加していたが、コロナ禍のため2年連続で中止に。観客前で腕を披露する場が減ったこともあり、当初は同施設内で開いていた同大会の会場を第3回大会から、「花の寺」としても知られる鎮國寺に変更した。大会を通して馬や選手の場慣れのほか、文化や技術の伝承にも努めている。
同大会では50メートルを疾走しながら配点が異なる2カ所の的を射抜き、計3走の合計点で順位を競う。同施設オーナーの山口信介さんは「矢を射るときは手綱(たづな)を離すため、馬との一体感が必要で、コミュニケーション能力も問われる。近年スポーツ流鏑馬は全国的にも盛んになっており、女性の参加者も増えている」と話す。スポーツという観点からヘルメットを着用するなど、安全にも配慮しているという。
今大会には全国各地から同施設の会員など13人が参加。鎮國寺住職による安全祈願が行われた後、順に競技に挑んだ。華やかな和装を身にまとい的を狙う選手の姿に観客も固唾(かたず)をのんで見守り、矢が的中すると拍手や歓声が上がった。
最年少選手で、母親と共に出場した中学1年の坂田康介くんは「弓を強く引いて、矢が的に当たると良い音が鳴り気持ちいい。選手として大会に出場したのは初めてだったが、的に当てることができたので良かった」と笑顔で話した。
同施設の劉さんは「鎮國寺で開催することで居合わせた参拝客にも流鏑馬を見てもらうことができ、ありがたい。当施設では小学1年生から流鏑馬体験や外乗体験もできるので、ぜひ大会を通して興味を持ってもらえれば」と呼び掛ける。
同大会は今秋にも開催予定。