宗像経済新聞は2021年12月の創刊以来、宗像周辺の「まちの記録係」としてさまざまな人と出会い、地域のハッピーなニュースを届けてきました。その中で感じた宗像の魅力の一つは「人」。宗像には出身を問わず「シビックプライド」を持った人が多く「宗像が好き!宗像に貢献したい!」という市民の熱意が地域を支えています。
本特集では宗像で活躍する人を「むなびと」とし、「むなびと」が活動や事業を始めたきっかけ、活動・仕事に対する思い、これから宗像でかなえたい夢などについて紹介していきます。今回は宗像市吉留の農家「カラダ生きる みきふぁーむ」の三木雅裕さん・瑠美さん夫婦に話を聞きました。
むなかた物産市オアシスに野菜を納品する三木さん
珍しい野菜が並ぶ
朝一からいろいろなところに納品に行っています。現在納品しているのは、道の駅むなかた、ほたるの里、かのこの里、むなかた物産市オアシス、福津イオンのわくわく広場など。他の農家の方も皆さん朝早く、店が開く前から外で待っています。
田の見回りをする三木さん
イノシシに破られた柵を補修
米作りもしているので、田にイノシシが入っていないかを確認しに行きます。穂が出てから踏みつぶされるので、たちが悪いです。柵の下を掘って潜って入るので補強したり、有刺鉄線を張ったりしていますが、あまり意味をなしていません。同じ所から出入りすることは少ないので、1カ所柵が壊れているということは、別の場所も壊れている可能性が高いです。この辺りはイノシシが多く、毎日のように柵が壊れているので大変です。
三木瑠美さん
むなかた吉武こころ会で作っているみそや梅干し
ウリのかす漬け
吉武コミュニティ・センターの加工室では、自分たちのところで取れた米や大豆を使ってみそを作っています。吉武地区には「むなかた吉武こころ会」という会があり、会のメンバーがみそなどを造っていたのですが、高齢化が進み、現在は私が母や近所の方に手伝ってもらいながら作っています。
ウリのかす漬けは昨年の夏に漬けたもの。田舎なので、皆さん濃い味が好き。ご飯のおつまみにもよく合い、リピーターも多いです。
珍しい品種のナス
袋詰めを行う家族
宗像では珍しい赤いオクラ
瑠美さん:もともと夫は料理人として働いていましたが、2021年、退職し私の父の跡を継ぎ、農家になりました。「せっかく野菜を作るなら普通じゃ面白くない」といろいろな品種の野菜を作っています。変わり種の野菜もおいしくて、いろいろな料理に使えるということを皆さんに知ってほしいと思い、地域のイベントやマルシェにも積極的に出店しています。私自身も料理やデザートを作ってきたので、「残り物の野菜を使ってレストランをしたら」と勧められますが、2人とも、料理を作るより現場で汗水垂らして野菜を作ることの方が好き。野菜を収穫するのが一番楽しいです。
雅裕さん:「傷ができて売り物にならないから捨てる」というのもよく見てきましたが、傷があるところを使わなければまだ食べられるというのもあるので、加工品に回せるのであれば、そちらに回した方が廃棄ロスも少ないし、さまざまな面で良いと思っています。
みきふぁーむの黒豆を使って作る「メゾンスワロー」の黒豆コンフィチュール
(右から)三木雅裕さん・瑠美さん
雅裕さん:吉留地区は高齢化が進んでいっているので、農業を通じて地域を盛り上げていけたらと思っています。
瑠美さん:子どもの時にいろいろな体験がさせてあげられるような場所づくりをしたいと思っています。竹山に行って遊びながらタケノコを掘ったり、自然と触れ合いながらジャガイモを掘ったり、枝豆狩りをしたりする場所をつくっていきたいです。
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