
鞍手町立剣南(つるぎみなみ)小学校(鞍手町中山)で7月20日、「校舎お別れ会」が行われた。
鞍手町では人口減少の影響で町内の小学校6校のうち4校が小規模校となっており、2028年4月に6校を1校へ統合した新しい小学校を開校する計画を進めている。統合に伴い同校の校舎を解体し、新校舎を建設する。同イベント実行委員会のメンバーは「6校のうち校舎が取り壊しとなるのは剣南小だけ。最後に何かできないかと考え、お別れ会を企画した」と話す。
当日は児童や卒業生、地域住民が参加し、思い出が詰まった校舎との別れを惜しんだ。親子で同校の卒業生という参加者は「校舎に入ると、小学生の時に遊んだことを思い出す。親子でお世話になった校舎がなくなるのは寂しいが、最後にお別れができてよかった」と話す。6年生の児童は「5年以上過ごしたこの校舎で卒業できないのは本当に寂しい。でも仮設校舎も少し楽しみ」と笑顔を見せる。
校舎の壁にメッセージを書き込む「ありがとうの壁」は多くの言葉で埋め尽くされ、2教室で上映した思い出ムービーには参加者が足を止め画面を見つめていた。最後には体育館で「校歌大合唱」を行い、大人も子どもも一緒に、この場所で歌う最後の校歌を響かせた。同イベントの終わりを告げる「最後のチャイム」は参加者全員でカウントダウンをして耳を傾け、鳴り終わると自然と拍手が起こった。
同イベントはPTAが企画し、当日はPTA役員や有志の保護者で構成する実行委員と教職員がスタッフとして運営に当たった。鈴木孝広校長は「仮設校舎への引っ越しに伴い、通学路変更や荷物の梱包などさまざまな準備が必要になる。PTAからお別れ会を提案された当初は教職員の負担増を避けるために断ったが、PTA主催で行うという話になり、ありがたいと思った。二次元コード付きのスタッフTシャツなど、教職員にはない発想でどんどん準備を進めてくれて、PTAの活性化にもつながった」と振り返る。
今後は、仮設校舎への引っ越し完了後に現校舎の解体工事を行い、2026年度から新校舎の建設工事が始まる。