
宗像市立地島小学校(宗像市地島)と洋菓子専門店「チョコレートショップ」(福岡市博多区)がコラボしたチョコレートの完成お披露目会が3月5日、宗像市役所で行われた。
全校児童7人の同校が取り組むふるさと学習「大好き地島!~地島の魅力を広げよう~」プロジェクトの一環。昨年9月、児童が地島の認知度について宗像市内3カ所で聞き取り調査を行ったところ、地島を知らない人が約30%いることを知り、たくさんの人に地島の良さをもっと伝えようとPR活動を企画。昨年12月にはJR赤間駅や宗像市内のスーパーマーケットで三線の演奏や、地島を紹介する手製のパンフレット配布などを行った。
「地島の特産物を使ったチョコレート」の商品化では、宗像市立自由ヶ丘中学校と宗像の食材を使った特産品「セゾン・ド・宗像~宗像の四季だより~」を開発した「チョコレートショップ」2代目オーナーシェフの佐野隆さんに協力を依頼。昨年11月、佐野さんを講師に迎えて行った「特別授業」では、「地島をたくさんの人に知ってもらうにはどうすればいいか」をテーマに児童がアイデアを出し合い、佐野さんからアドバイスを受けた。1月には、児童がチョコレートショップセントラルラボ(福岡市博多区)を訪ね、「地島の特産物を使ってほしい」「島やツバキの花の形のチョコレートにしてほしい」などと佐野さんに提案し、思いを伝えてきた。
お披露目会には地島小児童2人が出席し、これまでの活動について発表した後、佐野さんから完成したチョコレート商品を受け取った。「皆からもらった提案は全て採用した」(佐野さん)という同商品は、ツバキの形をしたミルクチョコレ-トとホワイトチョコレート・宗像産レモンを使った2種類で、どちらも地島の特産品「つばき油」を使う。佐野さんは「溶けるような柔らかい食感が特徴。レモンのチョコレートは通常なら酸っぱいと感じるぐらいの分量が入っているが、つばき油を入れることでまろやかに仕上がった」と説明。同校1年児童がデザインしたパッケージには7人がそれぞれ描いたツバキのシールを貼る。
この日初めて同商品を目にした児童は歓声を上げ、「ツバキの形をしていてすごい。つばき油の味がする理想のチョコレート。小学校に持ち帰って皆で商品名を考えたい」と喜びを語った。
佐野さんは「初めて島を訪れた時、船が見えなくなるまで手を振っていた子どもたちの姿に心を動かされ、『これは協力しないわけにはいかない』と思った。先生が一人一人の意見を尊重し、上級生が下級生の提案をしっかり取り入れている様子が印象的だった。オリジナリティーのあるチョコレートにするため、子どもたちが地域の人の話を聞き、地域の食材を探した結果、宗像でしかできない商品に仕上がった」と振り返る。
同商品は、3月8日に地島で開催される「地島椿まつり」で児童が佐野さんと共に販売する。